バス運転手不足(ブログ3355)
- 2023年10月06日
道内のバス運転手不足は深刻で、路線の縮小や減便が現実の問題となってきています。
まずは、都市間バスの便数が減少しました。
函誰~札幌間は8往復が走っていました。その運行料金は片道4900円で、往復では8746円、JRの特急北斗の指定席は片道9440円、自由席は8910円。
つまり、JRの片道の料金で都市間バスは往復が出来るのですから、若い人やビジネスマンには大いなる選択肢となっていましたが、その都市間バスが今は半数の4便になってしまいました。
コロナウィルス感染症が2類から5類になり、国内の人流が増え道内各地にも観光バスが目に付くようになりました。
観光バスは、観光関連会社の企画するツアー客が全てですから、バス会社は観光バスを優先することになります。
一方、路線バスが主体の会社は、運転手不足から路線の縮小や減便をせざるを得ません。 路線バスは、住民の移動手段ですから公的な支援がありますが、それでも定時での運行に支障を来し、朝晩を厚く、昼間は薄くとなってしまいます。
さらに、問題なのはJRの廃線に伴うバス転換です。
住民の通勤・通学・通院や買い物の重要な足となっていましたが、バス転換時には足は確保すると言っていたにもかかわらず、徐々に減便されています。そして、当該の自治体に便を確保するだけの財政力は、望むべくも有りません。
北海道は、さらに赤字線廃止路線問題や新幹線の札幌延伸に伴う並行在来線の廃止という難しい、問題が横たわっています。
併せて、泊原発に事故が起きた場合、道は住民の避難にバスを予定しています。
UPZ圏内(原発から30km圏内)の人口は約7万6000人、この方々を避難させるのには、1台に50人を乗車させると換算しても1520台のバスが必要になってきます。避難計画が十分でなければ原発は稼働できません。
観光のONシーズンでの原発事故の場合、この数のバスが用意出来るでしょうか。そして、バスの運転手が放射能汚染の可能性がある原発付近に、率先して行こうと考えるかどうか。
バス運転手不足は北海道の大きな課題です。鈴木知事が策定を指示している「北海道総合計画」に、地域の交通確保はどのような内容で記載されるのでしょうか。
先送りの出来ない課題です。