パラダイムシフトのまちづくり
- 2022年01月04日
今年は、函館市・市制施行100周年にあたります。
物事には節目というものがありますが、今日の函館市長の年頭の挨拶には具体的な行事の話がありませんでした。
しかし、100周年に向けて函館市は「函館市制100周年記念事業~はこだて夢プロジェクト~」実施のための委員会を設置し、音楽やスポーツ、演劇・文化、自然体験、まちづくりなどの企画から100事業選出して、今年4月から来年3月までの1年間にわたって市内各地で実施する事にしています。
そして、新しいまちづくりの基本コンセプトに「パラダイムシフト(既存概念にとらわれず、これまでの認識、思想、社会的価値観などを劇的に代える事)」によるまちづくりの実現」を据えています。
まさしく年間を通じて行われる事業は、今までのような記念式典・行事などと違って新しい試みとして期待したいと思いますが、新しいまちづくりの基本コンセプトについては、抽象過ぎて全くイメージが湧いてきません。
様々なことを劇的に変えるということは、極端に言うとこれまで積み上げてきたものを否定し、破壊して新しいものに作り替えると言うことですが、それには一定の時間が必要となってきます。
そして、何を残し、何を壊すのかも雲を掴むような話です。
夢プロジェクトという委員会が、もしかして「電通」などのような広告会社による提案を、そのまま受け入れて創るまちづくりプロジェクトだとしたら、地方行政が民間の広告会社の実験材料として使われるだけで、主客転倒も甚だしいと思います。
民間会社のトヨタが富士山の東裾野の自社工場跡地に創る実験的な「ウーブンシティー」は、全てがトヨタの出資で行われますが、それとて、既存自治体の中に創られます。
そこが、実験的であっても自治体と位置づけられるのならば、地方自治法の制約を受けることになります。
函館市が、そのようなまちづくりを目指すのかは定かではありませんが、市民全員を巻き込んだ十分な議論が必要ではないかと思います。