ビザ無し交流の行く先
- 2021年02月21日
通常、3月に行われるはずの日ロ代表者間会議が5月以降に延期となった事から、北方領土へのビザ無し交流の実施が危うくなってきました。
20年度はコロナ禍で全面中止となり、訪問団も今年に期待をかけてきたようですが、一向に収まる気配の無いコロナ感染症が壁となり、展望が開けるのか全く読めません。
ロシアでは、日本より早くに自国で開発されたコロナ対応ワクチン「スプートニクⅤ」の接種が始まっていますが、ワクチンに対する国民の不信感が多く、接種が予定通りに広がっていません。
ましてや、北方4島にワクチンが届けられ住民が接種を行っているのかの情報も明らかになっておらず、無論、日本でもワクチン接種が医療従事者を皮切りに始まったばかりですし、いつ対象となっている国民の接種が終わるのかも定かではありません。そうなれば両国にとっても、渡航に対する制限を解く条件が整わないことになります。
仮に、ビザ無し交流が始まったとしても、お互い渡航中に感染した場合の対処も解決しなければならない課題です。
様々なことを想定すると、今年のビザ無し交流もかなり難しい事になります。
懸念されるのは、ロシアが国内の憲法を改正して領土問題については言及しない、というよりもできないことにしてしまったことです。
米国と日本の安全保障、日米同盟を考えれば、北方領土で日本人と交流して得るものは何も無いと結論付けている事になります。
ロシア憲法改正にコロナ禍が重なり、今後、ビザ無し交流を継続しないという言い訳をロシアが上手に利用することになれば、相手の思うつぼになります。
この状況を政府はただ指をくわえているだけなのか。菅氏は安倍氏同様何もせずに「やっている感」だけです。
19年の交流が最後にならない事を祈りますが、事は時間が経過する毎に難しくなっています。