ビザ無し渡航の再開
- 2022年01月16日
鈴木知事が林外務相と西銘沖縄北方相に面談し、北方領土へのビザ無し渡航について早期再開を求める要望書を提出しました。
要望書には①領土問題解決に向けた外交交渉の加速②航空機墓参などビザ無し渡航の早期再開③日本人墓地の調査と破損した墓石の修復④日ロ間で感染症対策に関する協議の場の設置 などを明記して手渡しました。
林氏は「可能な限り早期に(ビザ無し渡航を)実施できるよう努力する。」と答え、西銘氏は「何とか交流できないか、粘り強くやりたい。」と答えたそうです。
また、北海道は仮に再開された場合として、訪問団向けに「渡航中に関する感染症対応マニュアル」も作成し、いつでも再開に対応できる体制を準備しているようです。
しかし、残念ながら新型コロナウィルス感染症が収束するとう見通しは今のところたっていません。
また、仮にコロナが収束したとしても、ロシア政府は簡単にビザ無し訪問を再開する立場に立つかは微妙だと思います。
ウクライナ情勢をめぐってEUやNATOとロシアは緊張状態にあり、その事は少なからず米国と同盟関係にある日本とロシアの関係にも微妙な影を落とすことになる可能性を秘めています。
ロシア政府にとって北方墓参は、日本に対するカードとしか位置づけられておらず、人道的な立場などには関心がないと言っても過言では無いと思います。
北海道では「日ロ交流年」の行事が行われますが、地域間、国民間での相互理解や交流の促進が進んでも、結局は北方領土に関する様々な問題は政治的な解決が無ければ前に進みません。
そしてこの問題は、残念ながらこれまでも今後も、遅々として前に進むことは期待できないのではないかと思います。