マイナカードは安全か(ブログ3236)
- 2023年06月02日
マイナンバーカードへの信頼はドンドン失い始めています。
保険証への紐付けで、問題は更に拡大し、連日のように不備が露呈しています。
このまま保険証機能がマイナカードに付与されて医療情報も入力されれば、リスクは更に高まるようになります。
政府は今後、マイナカードに個人の医療情報を入力して医療機関が電子カルテを見られるようにする他に免許証機能も付与し、その他に口座への紐付け、更に民間企業が活用できるようにして、マイナカード1枚で全てのサービスが利用できるようにシステムを構築する方針です。
医療との紐付けでは患者の病歴、治療歴、服薬歴、感染症情報など個人にとっては重要な個人情報が、このカードと4桁の暗証番号で見られることが出来ます。
サービスが増えれば増えるほど、カードを常に携帯していなければならず、紛失や盗難のリスクに晒される可能性が非常に高まってくるということになります。
このマイナカードの保険証一体化で不安を感じているのが介護施設です。
介護施設などに入所している高齢者が保険証を利用する場合、4桁の暗証番号が必要になりますが、高齢が故に暗証番号を忘れないように何かに記録しておくことが必要になってきます。多くの入所者は、これを施設に預けることになるでしょう。施設側は暗証番号とカードを同時に管理しなければなりません。
以前、マイナカードになる前に国民総背番号制度として12桁の個人番号が国民に付与されました。この時、各事業所は従業員に個人番号を提出させ、税に関わる事務に利用していましたが、この時は、事業所が番号を扱う管理者を決め、番号を掲載した資料は厳重に管理しなければならない事になっていました。
翻って、今、高齢者施設がカードと暗証番号を管理する事になった場合、そこまで厳重な対応が可能となるでしょうか。
もし、カードと暗証番号の両方を紛失したり、何者かに盗まれた場合、入所者の個人情報が悪用されてしまうことが懸念されます。何しろカードには住所・生年月日、医療情報・介護情報、果ては納税額、公金振込口座の利用状況、そこから大まかな資産情報も推測できてしまいます。
さて、そこまで美味しい情報が詰まったカードを、特殊詐欺などの犯罪グループが見逃す訳がありません。施設からこのカードと暗証番号を盗み出し、「闇名簿」として利用したり売買したりする事で犯罪に結びつくことが懸念されます。
施設の職員が悪意を持って手を染める事も。更に職員を装って施設に侵入しカードと暗証番号を狙うこともあるでしょう。
従前の保険証だけで有れば、限られた情報しか手にすることが出来ませんが、マイナカードは情報の「宝の山」となってしまいます。
また、カードは5年ごとに更新しなければなりませんが、これも申告制となり、更新忘れが心配になってきます。免許証の場合、事前に更新時期の案内を送付しても年間約23万件の更新忘れがあったことが警察庁の調査で判っています。
マイナ保険証は高齢者が多く含まれている上、更新手続きが煩雑となっている事から100万件の更新忘れがあってもおかしくないと言われています。
そうなれば無保険者が増加し、医療機関の事務が想像を絶することになります。
そこを犯罪者が目を付ける。申請を手伝ってやると近づき、情報を入手してしまう。
更に心配なのが、在宅介護です。そこには管理者の目が届きません。
介護や看護をする方に悪意があれば、事はまったく簡単なのでは無いでしょうか。
そんなことが日常となってしまう日が近づいているとしたら、皆さんはどう思いますか?