マイナンバーと口座の紐ツケ
- 2020年06月16日
コロナウィルス感染症に関する今回の「10万円給付金」について、その支給がスムーズに行かず多くの時間がかかっていることに関わり、高市総務相が個人口座とマイナンバーの紐ツケを言いだしましたが、預貯金の個人情報が国に一元化されることに批判が集中し、結果、個人口座の中の1口座のみを紐ツケしたいと言い出しました。
給付金をスムーズに受けられた方の多くは、自治体から郵送された申請書の受け取る欄にレ点を書き込み指定口座番号を記入して返送した方でしたが、オンライン申請を行った方の中には本人確認のためのマイナンバーカードをマイナポータルで読みとり、それをオンライン申請書に添付しなければならず、これに手間どりスムーズに手続きが行われないことや、自治体がデーターと家族構成などが間違いないか人力によって確認しなければならないなど、想定していなかった手間がかかったからではないでしょうか。
制度の不便さを棚に上げ、マイナンバーカードの普及を国民に求めたり、マイナンバーに個人口座を紐ツケすることにつなげるのは、これもまさしく「火事場泥棒」です。
アメリカ人が持つ社会保障番号(SSN:ソーシャル・セキュリティー・ナンバー=日本のマイナンバーにあたる)は、これによって全ての収入・所得・財産などが国に把握されています。
カード社会のアメリカは、個人の収入・所得は口座に振り込まれ、所有している全ての口座は登録され国が掌握、住宅ローン・自動車ローン、クレジットカード申請、銀行の口座開設、保険加入、携帯電話加入・・・・・お金に関わる契約においては収入こそ民間業者には漏れませんが、SSNに付けられた「クレジットスコア」による点数で信用判断がなされます。
また、買い物は1ドル(100円)でもカード決済であり、個人の支出も含め、何を買って、何をレンタルしたのかも、そして、その事によって個別事業者にどれだけの売り上げがあったのか、ビッグデーターで掌握され、税金もそれによって賦課されます。
今は、高市総務相が「1口座だけ紐ツケ」と言っていますが、その事によって、いずれ複数の金融機関に数口座を持っていても口座が一本化され、全ての資産が国に掌握されることに繋がってくることは、容易に想定されます。
そして、私は現金主義です。