メディアの取り扱いの違い
- 2014年10月14日
産経新聞の前ソウル支局長が、セウォル号沈没事故時に、朴大統領が数時間、誰かと会っていて事故対応が送れたと政権を批判するコラムを掲載したことで、韓国の検察に在宅起訴されましたが、このことが報道の自由、表現の自由の侵害に触れると各国のメディア、とりわけ日本のメディアが批判をしています。
まさしく、熊坂産経新聞社社長が「日本の報道機関が日本の読者に向け、日本語で執筆した記事を韓国が国内法で処罰することが許されるのか。」とコメントしていることは、その本筋を訴えていますし、岸田外務大臣が「報道の自由や日韓関係に関わる問題で有り、大変憂慮している」と取材に答えたということも新聞に掲載され、また同じ道新には、日本の刑法では、公益を図る目的があった場合、仮に真実で有ることが証明されなくても、真実と信じるだけの相当な理由があれば名誉毀損は成立しないこと、そして元検事の若狭勝弁護士が「前支局長は(情報元の)朝鮮日報の内容を真実だと思っていたと判断出来るのではないか」と指摘している一方、重村智計早稲田大学教授が「コラムは朝鮮日報の記事を誤訳した質の悪いものだった」ということも掲載されています。
まとめると、『朝鮮日報の記事を誤訳し、日本語として記事を掲載したが、誤訳した内容を真実と信じていたことから問題は無く、起訴した韓国は表現の自由に圧力をかけた』ということなのか?
報道の自由と、表現の自由とは尊重されるべきものですが、少し前に、朝日新聞が「従軍慰安婦」の問題で、1991年8月11日付け朝日新聞に韓国人の元日本軍「慰安婦」の匿名証言を報じたことに対し誤報であることを発表、国内の各中央新聞、週刊誌などのメディアは、それはそれは激しいバッシングを行い、今もそのことが尾を引いていますが、今回の産経新聞の問題について重村教授いわく、誤訳があったにも関わらずそのことは一つも指摘されることなく蓋をされています。
政権に少なからず批判的な朝日新聞と、政権の広報のような産経新聞との取り扱いの差が歴然としているような気がしてならず、得心しかねます。