メーデーと官房長官
- 2022年04月30日
連合メーデー中央大会に松野官房長官が出席し、「新しい資本主義の時代にふさわしい賃上げが実現することを強く期待する。あらゆる施策を総動員して、企業が賃上げをしようと思える雰囲気を醸成していく。」と述べたとのこと。
官房長官が出席したことについて記者団に問われた芳野会長は、「労働者の祭典に政府の代表者に来てもらえるのは光栄だ。」と答えたと今日の道新に記載されていました。
芳野会長は大いに勘違いをしていると思います。
今の労働者の置かれている環境は、誰が作り上げたのでしょう。
労働者派遣法のお陰で、全労働者の4割が非正規雇用となり、その労働者の賃金は、いわゆるワーキングプアと言われるほど低賃金となっています。誰が法律を作ったのか?
アベノミクスによるトリクルダウンなどと愚にも付かない政策を行って、儲かったのは企業と株主と投資家、労働者は20年以上賃金が上がらず横ばいを続け、ついには年収で韓国にも抜かれOECD加盟国中では最下位に位置しています。誰がこの政策を推し進めたのか?
金融政策を「円安」に導くことにより輸出企業はホクホク、逆に燃油高騰を中心に食料品などの輸入関連の値上げは激しく、所得は実質目減りで家計にゆとりが無くなる。誰が円安政策をこんなにも長く続けたのか?
その他にも今の政権が行った労働者を使い捨てにする政策は枚挙にいとまがありません。その逆に労働者が喜ぶことを何かしたのでしょうか。
労使間交渉の春闘に政権がずかずかと入り込み、官製春闘を演出したのは労働者をいじめすぎた結果、低所得となって消費が上向かないからに過ぎません。それも大企業中心の賃上げは定期昇給無しの3%程、雀の涙とはこのことです。
地方の自治体では首長に出席をしてもらう事はあります。地域の労働行政(雇用の促進や雇用環境の整備等)を執行する立場の首長と対峙する必要はありませんが、今の日本の労働者が生活苦にあえいでいる元凶を作った政権とは対峙していかなければならないのではないでしょうか。
それらを推し進めた政権の中心人物を招待して「光栄だ」とすり寄る連合、これが労働者の賃金・雇用・労働条件等の改善を主目的とした働く者の総本山だとは・・・。