モンスターペアレント
- 2008年06月25日
7月1日から新しいドラマ、その名も「モンスターペアレント」という番組が始まります。
モンスターペアレントとは、「自己中心的で理不尽な要求を繰り返し、正常な学校運営を妨げる保護者」を指しており、有識者は「保護者の消費者意識の暴走」と見ています。
すなわち、「同じ値段を払えば同じ商品が手に入る」という意識で教育サービスを捉え、自分の子どもが学校で他の子どもより「損」な待遇を受けていることが我慢できず、例えば、学級担任が新卒・中堅・評判の良いベテランで構成されていれば、自分の子供は評判の良いベテラン教師以外に担任されると「不当待遇」と受け止めるとされています。
この間、06年には西東京市の市立小学校の女性教師が、異常なほど深夜に携帯電話に苦情電話をかけられ、連絡帳で人格攻撃される等の結果自殺した例や、08年には埼玉県狭山市の保育園長が子供同士のけんかで軽い怪我をした保護者が、4ヶ月以上にわたり苦情を言い続け、保育所の対応を批判する内容証明付き郵便を送りつけ、これを苦に焼身自殺した例等があります。
06年、全国1万校の小・中学校長への調査では、中学校の78.7%、小学校の77.8%が、保護者の利己的な要求が学校運営に深刻な影響等があると答えています。
しかし、「モンスターペアレント」とは学校の立場から見たものであり それぞれの保護者や子供には、それぞれの事情があるはずです。
そのことが教員と共有化されていなければ、時として保護者の物言いが「モンスター」と映ることがあるかもしれません。
一方、核家族化し、居住地域との人間関係が希薄になった保護者にはサポートや相談する人がおらず、ある事象に対し客観性を失った時、誰でもモンスター化してしまう可能性を持っています。
様々な事例を他人事と笑うのではなく、「子供と学校はうまくコミニュケーションがとれているか」「自分の姿はモンスターになっていないか」と客観的に見る機会が必要であり、PTAの研修や入学式などの機会を利用してビデオなどによる啓蒙など、学校と保護者の共通の問題として対処することが大事だと思います。