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ヤジ・最高裁判決(ブログ3669)

  • 2024年08月27日

 道警ヤジ問題に対し、最高裁が警職法における現場警察官の対応に適切、不適切の判断を示しました。

 警職法は、「人の生命や身体に危険が及ぶ恐れがあり、緊急の場合に、警察官が市民を避難させたり、犯罪行為を制止することが出来る」と定められています。

 最高裁は、その規定にあてはめた場合、「増税反対」と叫んだ桃井希生さんを排除・つきまとった警察官の行為を、「現実的かつ具体的な危険は生じていなかった」として違法と認定し、その一方、「安倍やめろ」と叫んだ大杉雅栄さんは、「聴衆から暴行を受ける具体的な危険が切迫していた」として、大杉さんの腕を掴まえた聴衆がいた映像があったことを理由に、避難させるために排除したことを適法と判断しました。

 「さて、ちょっと待てよ、腕を捕まえた、つまり暴行を行おうとしていたとされる聴衆は排除せず、危険が切迫していた大杉さんを強制的に排除したということか。」まずは、危険を及ぼそうと実力を行使した聴衆が排除されるべきではなかったのか。

 これでは、単純に被害者と加害者を逆に対処した。すなわち、ここにも忖度が働き、首相が絶対でそれを批判した者は排除の対象になるという道警の暗黙の了解があったのでは無いかと勘ぐってしまいます。

 もっと言うと、街頭演説が予定されていた時点で、道警は、当日の警護について相当のシミュレーションを行っていたと思います。当然、これまでの事例からヤジがある事も想定し、その対処についても現場に配置される警察官に徹底していたと思います。いや、それは、警護する立場としては当たり前の準備でしょう。そこは理解しますが、現実的には「ヤジには即排除」が当日の警備担当者全員への道警幹部の指示だったと思います。

 最高裁の判断は、今後もあり得る同一の事象についての方向性を示したことになります。

 だとすれば、最高裁は、何処までが違法で何処までが適法の範囲なのか具体的な事例を示す必要があります。

 一方、道警は「表現に自由」を阻害したことに対して、合理的な説明を行う必要があります。最高裁の判決を受けて、道警は「特定の意見を規制することはもとより考えていない。職務に疑念がもたれないよう、法令に基づき不偏不党かつ公平中立に職務に邁進する。」というコメントを出しましたが、そうでなかった事が最高裁の判決で明らかになったのです。道警は、最高裁になぜ違法だと判断されたのかについて、具体的にはなぜ疑念が持たれたのか、今後はどのように対処していくのかを説明するべきではないでしょうか。

 実力組織といえども警察<行政>です。己の行為には、行政としての責任と実力組織としての謙虚さが求めらている事を認識すべきだと思います。

 一方、裁判の当事者であり、控訴も行った鈴木知事も同様に道民へ説明しなければなりません。


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