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ライドシェアーの結果(ブログ3784)

  • 2024年12月24日

 札幌圏で行われていた「ライドシェアー」の運行が半年を過ぎ、その結果がまとめられました。

 道新によると、11月末までの運行回数は計2,215回、ということです。

 運行当初は、コロナ禍によって減少したタクシー運転手を補うことを目的に始まりました。実際、半年前まではタクシーが不足し、タクシー会社に注文をしても断られ、街を流しているタクシーも少なく、駅のタクシープールは閑散としていましたから、利用する側は不便この上ない状況でした。

 したがって、このような思いをされていた方々にとって、「ライドシェアー」は歓迎されるものでしたが、ライドシェアーのシステムは、2種免許が不要なこと、タクシー会社に所属すること、タクシー会社に時給で雇用されること、配車アプリによって乗車させること、流し営業が出来ないこと、運行時間が限定されていること等の制約も有り、ライドシェアー運転手は、当初に思い描いていたほどの雇用の自由さと収入が見込めないことから減少し、またタクシー会社も、ライドシェアーの利用が1日数台という実績では、維持していく意味も無く、通常のタクシー運転手も戻り始めた事から、手を引く会社も多くなってきました。

 ライドシェアー制度は、大観光地である京都などでインバウンドの観光客へのタクシー不足が顕著になったことから、米国などで行っている制度を日本に持ち込んだ事から始まりましたが、大観光地以外での必要性は当初からクエスチョンでした。

 札幌市は、人口190万人以上の大都市であると供に、北海道が誇る大観光地でもあり、インバウンドの方々も多く、狸小路などは、外国の方々ばかりで日本人は道路の端を歩いていると言っても過言では有りませんが、その札幌市でも「ライドシェアー」は必要が無いようでした。

 専門家の大学教授が「タクシーの補完ではない新たな移動手段として位置づけ、タクシーより料金を安くして、欧米のように個人が副業できる体制を整える必要がある。」と記事に掲載されていましたが、個人が副業で出来ると言うことが乗客の安全にどう結びつくのか、欧米ではライドシェアーによる犯罪、それも女性が犠牲になることが多く問題になっています。また、料金を安くして、と言うのは、要らぬダンピングとサービスの低下を招く要因となります。果たして教授が言っていることが日本に馴染むのかのは、今回の札幌の結果が示しているように思われます。


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