背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

ラピダスの嘘?(ブログ3426)

  • 2023年12月16日

 今日の新聞報道で、ラピダス社の斉藤晋社長が、千歳に建設する工場に必要な電力を、泊原発の再稼働や既存の電源で対応する考えを示し、「現時点では、電源の新設を考えていない。今の設備をしっかり使うとともに、(泊原発を)再稼働させる事が目標だ」と語ったことが掲載されていました。

 新聞報道は、往々にして事実だけではなく、記事を書いた記者の感想が含まれていたり、最終的に記事内容をチェックする「キャップ」や「デスク」の意向、つまり会社の意向が含まれることがあります。

 ですから、全面的に信用するかどうかは読者の判断に委ねられる面もあります。

 さて、ラピダス社の斉藤社長は、北海道に進出する際に記者からエネルギーの考え方を問われ、「ラピダス社は世界からの投資を期待している。したがって、投資家からの理解が得られるよう、再生可能エネルギーを使用したい。自社にも再生可能エネルギー発電設備を設置したい。」という趣旨の話をしていたように記憶していますので、私は、「さすが未来を目指す最先端企業の経営方針だ」と期待したことを思い出します。

 今回、国費が数兆円単位で投入される国策として、進出が決定し、エネルギーと同様に、必要な大量の水の供給と使用済みの下水道施設に対する国費の投下が決まった途端に、原発の再稼働に触れました。

 まさしく「舌の根が乾かないうちに」です。

 経産省が強く関わる半導体事業、そしてこれも経産省が所管の原発再稼働、その裏に何かがあったとしか思えません。

 今の北電による電気料金は全国で一番高額になっています。さらに、発電は火力発電に依存しています。泊発電は、安全対策の防潮堤の建設にまだ数年の期間が必要ですし、規制委員会では火山の影響の判断がなされていません。何より、放射性廃棄物の最終処理という基本の問題が解決していないと言うことを知っていてもなお、火力発電と原発の再稼働にシフトするとは、とても残念な発言でした。

 そうなれば、ラピダスに対する私のイメージは大きく変化します。

 北海道民の意思やSDG’sの精神に反するエネルギー要求、道内の豊富な水を我が物のように使用して己の経済活動を優先する企業、そんなところでしょうか。

 半導体のウエハ洗浄には、有機フッ素化合物PFASが使用されますが、これも本当に除去してから排出するのかも信用できなくなってしまいます。

 ラピダスの商売相手が道民ではなく世界のIT関連企業であるにしても、道民の信頼を損なえば、企業としてのステイタスを失うことになります。斉藤社長には再考を望みます。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.