ロシア極東大学函館校が閉校(ブログ3606)
- 2024年06月16日
ロシア極東大学函館校が、25年度から学生募集を断念することが報道されました。
この間、日ロ親善協会に所属し、毎年の入学式や卒業式にも参加してきましたから、非常に残念な思いです。
函館市とロシアの関係は、今から230年前の1793年にロシアの使節団ラスクマン一行が「エカテリーナ号」で函館に来航したときから始まり、その20年後に測量調査をしていた「ディアナ号」のゴローニンが国後島で拿捕され、松前藩に送られ函館に幽閉されましたが、函館の豪商だった「高田嘉兵衛」が交渉人となり、ゴローニンを解放したという歴史があります。
時は流れて1855年に日露和親条約が結ばれ、その後、函館にロシア領事館が設置されるなどし、少し前までは旧ロシア領事館の建物を利用してロシア領事館事務所としてビザの発給なども行っていました。
そのようなロシアとの歴史的な繋がりから、ウラジオストクの国立ロシア極東総合大学の函館校が1994年に設立され、これまで、約270人の卒業生を輩出、その多くはロシアとの関係がある企業などに就職し、ロシアとの架け橋にもなっていただいています。
函館の日ロ親善協会は、毎年、市内の大学に留学しているロシアの学生やロシア極東大学函館校の教師を招き、クリスマスパーティーなどを開催して友好を深めてきましたから、大学が閉校することをとても寂しく思います。
ロシアがウクライナに侵攻したことで西側諸国との関係が悪化し、日本も経済制裁に参加するなど、ロシアへの印象が悪化したことが入学志望に影響した事は否めませんが、大学が閉校しても、これまでの民間交流が衰退することだけは避けたいと思います。