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ワンウェイ・プラごみ

  • 2021年04月13日

 最近、スーパーやコンビニに行くときは必ずトートバッグを持っていきます。

 レジ袋が有料となってからではなく、私の場合、プラスチックの海洋汚染が話題になる以前からマイバッグ・マイ箸、マイボトルを携帯していました。

 一時、環境保護の取り組みが大きく取りあげられた時、国内でもリサイクル運動が盛んになって来ましたから、その時から続けている方も多いだろうと思います。

 ところがいつの間にか徐々に元に戻ってしまいました。

 3月9日政府は「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」を閣議決定しました。

 日本は、プラスチック生産量で世界3位、一人当たりの使い捨てプラスチックの排出量が米国に次いで世界で2番目に多く、国内の総排出量は年間800万トンと言われています。特に、使い捨てのプラスチックで多いのは有料化となったレジ袋だけではなく、スーパーやコンビニで販売されている弁当・惣菜・パン・サンドウィッチ・おにぎりなどの容器、その多くはプラスチック、食べるときのお供となる飲料水もペットボトルとなっています。それだけではなく、生活関連商品の容器はすべからくプラスチックで、これだけ社会生活に欠くことの出来ないところまで入り込んでいます。

 惣菜などの容器を洗って再利用できるよう出来るものもありますが、ほとんどは一般ゴミとして捨てられます。

 リサイクルの面だけ考えると、プラスチックを焼却処分した熱を再利用すればサーマルリサイクルとなりますが、一方ではCO2の排出量を増加することになります。

 この度の政府が閣議決定した法律案は、製造・販売事業者に自主回収を求めたり、排出事業者が排出抑制に取り組みを促す程度で、使い捨てのワンウェイプラスチックを多く提供する事業者への勧告・公表・命令措置があるものの、便利なプラスチックの製造そのものが減量しなければ全く意味がありませんが、その政策が一つも盛り込まれていません。

 大事なのは、プラスチックに替わる環境に負荷をかけない包装の開発支援と、それを積極的に使用することへの具体的なインセンティブを政策として推進することではないでしょうか。

 そうでなければ、またもや「やっている感」の法律案となってしまいます。

 ところで、コロナ禍での必需品である「不織布マスク」の原材料は、ポリエステルでプラスチック製品ですし、医療現場で使用するマスクや防護服、手袋、そしてワクチン接種で使用される注射器、全てが使い捨てのワンウェイプラスチックです。

 医療現場の廃棄物は、「医療系感染性廃棄物」として処理されますが、これも焼却処分が基本ですし、私たちが使い捨てする不織布マスクは一般ゴミとして焼却処分されます。

 今までの生活の中で排出されるプラスチック廃棄物に、コロナ禍でのプラスチック廃棄物がONされます。

 焼却処分をすればCO2の排出が増え、政府の方向性に逆行します。

 さて、どうするのか、プラスチック廃棄物の処理についても政府の本気度が試されます。


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