一触即発
- 2017年08月10日
お互いに口汚く罵り合っていた二人が、ついにお互いを軍事攻撃するような過激発言にまで発展してしまいました。
かたや「アメリカンファースト」を掲げるトランプ大統領、こなた「北朝鮮体制の堅持」を主張する金正恩朝鮮労働党委員長、どちらも周りの言葉が耳に入らず、「金正恩が米国領グアム等海域30km圏内に数発のミサイルを打ち込む計画を検討している」と言えば、トランプは「これ以上威嚇しない方がいい。世界が見たこともない炎と怒りに見舞われる」と発信、まさしく一触即発の状態に入ってしまいました。
小野寺防衛相は、「集団的自衛権の行使が可能で、もし北朝鮮がミサイルを発射したらイージス艦などから迎撃ミサイルを発射する」と発言してしまいました。
仮にトランプと金正恩二人のどちらかプッツンと来たら、北朝鮮VS米国・韓国・日本の連合による考えたくない事態に陥る事になります。
そしてそれは、薄氷の上に置かれた最も重たい現実となっています。
もし、日本の総理大臣が賢い方であったならば、電撃的に北朝鮮を訪れ、米国との話し合いという打開策を投げかけ、中国やロシアなどにも協力を求め、もって米国と北朝鮮との交渉の場を作り、その調整役を引き受けるという大胆な行動を取るべきだと思います。
この時に、安保理決議である核の凍結を引き出し、それと引き替えに安保理決議の経済封鎖を解き、更に経済協力を推し進め、北朝鮮の国体を認めて行く、ひいては世界の仲間入りへの道を開き、拉致問題の解決にもつなげていくという立場を日本が推進しなければならないと思います。
まさしく、「日朝平壌宣言」の実現と発展です。
追い詰められたネズミは猫を噛む(窮鼠猫を噛む)、日本も過去に大国から経済封鎖を強いられ、エネルギーを求めて日中戦争を引き起こし、大東亜共栄圏なる妄想から大戦になだれ込んでいった経験を持っています。
そして、過去の米国の戦いであるベトナム・イラン・イラク・・・、どれも凄惨な戦いとなり、その犠牲者は多くの民間人です。
しかし今回は、その戦火が米国・北朝鮮両国だけではなく、日本・韓国にも及ぶということです。さらに、この機に乗じて中国の南シナ海での覇権拡大や、ロシアの地中海沿岸への侵攻などが懸念されます。
日本の総理大臣が行うべき判断は、集団的自衛権の行使ではなく、両国間の調整役ではないでしょうか。