上・中・下分離方式
- 2017年12月13日
昨日、昼のNHKニュースにおいて、JR北海道の路線見直しについて、国が「上下分離方式を視野に国が二分の一、道が四分の一負担」という事が放送され、道議会の予算特別委員会開催中ということもあって、事前に議会への報告も無かった事から、一時は予算特別委員会を開催することが出来ず、副知事が事態の収拾に奔走する事になりました。
我が会派にも副知事が説明に来て、NHKの報道が誤報であること、道としてのスタンスは以前から大きく変化する事は無いとの説明があり、新たな展開では無い事を確認、道としてNHKに遺憾の意を伝え、正確な報道に帰する事を申し入れることが副知事から表明され、予算特別委員会が約2時間遅れで開催されました。
開催された委員会では、知事がJR北海道に対する財政支援について、車両更新や駅舎修復などの設備投資や修繕に限定して支援する事を表明しました。
また、今回「上下分離方式については想定してない」とも明らかにしました。
知事は以前から赤字補填のための支援はしないと発言していましたから、その考えに沿った支援策と言う事ですが、未だに北海道の鉄道に対するビジョンは示していません。
一方、JR北海道が花咲線の沿線自治体に対し、過疎債を活用した上下分離方式を具体的な数字を示して説明、沿線自治体の首長からは「検討に値する」と前向きの意見が出されました。
知事は「上手分離方式を想定していない」とし、JR北海道と沿線自治体は上下分離方式を推進するための検討を具体的に始めようとしています。
ここに、大きな溝が出来てしまいそうな状況が生まれたと思うのか、ですが、私は、これまで、上下分離あるいは上中下分離方式を採用すべきと主張してきました。
いわゆる「上(車両の運行に関する業務等)」をJR北海道が担い、「中(駅舎や車両の維持管理等)」を関係自治体が担い、「下(線路や橋梁、トンネルなどの管理・補修等)」を国と道が担うというという構図が北海道の鉄路を残す手段だと考えています。
この上・中・下の担い方は、もう少し検討が必要だと思いますが、これに経済界(観光業界関連含む)、一次産業界・物流関係(貨物輸送関連)、教育機関(通学支援)、医療関係(通院支援)などの支援体制を確立して、まさしくオール北海道による鉄路維持を実現すべきでは無いかと考えます。
「中」については、駅舎に住民が集う施設の併設や観光客が立ち寄る魅力的な施設などに自治体が関与し、車両も地域性が盛り込まれた特徴の有る車両を用意するなど、「下」については、JR北海道がノウハウを熟知していますから、JR北海道の子会社あるいは関連会社を設立し、派遣や移動で技術者の雇用と技術の継承を確保する。
そういう目で見れば、今回の道の「車両更新や駅舎の修復等」への財政支援は、この上中下方式への伏線として捉え、新たに道議会に設置する「北海道地方路線問題調査特別委員会」で十分に協議するべきだと思います。