不思議な補正予算
- 2022年02月26日
国会では、22年度予算案に国民民主党が賛成するという前代未聞の珍事が起きています。
そして、今は各地方自治体で新年度予算を審議する定例本会議が開催されています。
北海道も25日から令和4年第1回北海道議会定例本会議が開催され、鈴木知事が新年度予算に関わる道政執行方針を述べました。
この中で、補正予算の冒頭審議を求められ、議会として補正予算に関わる質疑を行い可決しました。
実に不可思議なのは、補正予算のほぼ全てが新年度に執行される「繰越明許費=年度内に支出が見込めない場合、翌年度に繰り越して使用する経費」、「債務負担行為=支出が単年度で終わらず、次年度にも支出しなければならない場合にあらかじめ、その分も予算化しておく行為」となっていることです。
ご存じの通り、補正予算とは当初予算に想定していない事由が起き、急施を要する場合に追加される予算の事ですが、今回の補正予算は、ほぼ全てが次年度以降に支出される内容で、あらかじめ新年度に支出する予算であれば本予算の中に組み入れて審議すべきものです。
各自治体がこのような補正予算を組まなければならないのは、政府がコロナ対策と称して1月に大型補正予算を行ったために生じた現象です。
岸田氏は「15ヶ月予算だ」とうそぶいていましたが、行政機関の予算は単年度主義が基本です。ただ、単年度に支出が終了しない場合には、先ほど説明した「繰越明許費」や「債務負担行為」という手法があります。
岸田氏の手法は、安倍氏がその政権で幾度となく行った手法です。
このことが普通に行われれば、本予算に盛り込めば差し支えのある項目や本予算が膨らみすぎる事への批判をかわすために、本来目的以外で補正予算が利用されることになり、財政上の規範を外れることになります。
一方、国会で通った補正予算の内、地方自治体に関わる配分を地方議会が否決する事にはなりませんが、このような事が正しい事だとは思えません。