中くらいの政府
- 2010年07月13日
参議院選挙が終わり、有権者の様々な思いが結果に反映されました。
民主党の10ヶ月間に対する評価は、二人の党首の不用意な言葉に集約され、これまでの取り組みはすっかり陰に回ってしまったようです。
事務次官会議を廃止し、大臣・副大臣・政務官の政治主導での政策決定、縦割りを廃した国家戦略室の設置、密約など情報のオープン化、事業仕分け、高校授業料無償化、独立行政法人理事長の公募化・随意契約の見直し、地方交付税の増額、一括交付金の実施、雇用保険適用基準の緩和等々は今回の参議院選挙で話題にもなりませんでした。
取り組みの中で視点が当たったのは、公務員改革。民主党は公務員の人件費2割削減を打ち出していますが、「みんなの党」などは「公務員の支援を貰っている民主党に公務員改革など出来るはずがない」と声高に主張していますが、すでに地方では大幅な人員削減、給与の見直しが実施されていますし、そうであっても行政に携わる地方公務員達は国政に対し冷静に考え、支持を判断しています。
そして、地方においては、これ以上の公務員定数削減は行政そのももに影響を来すまでになっています。
さて、「みんなの党」や野党の皆さんは、「小さな政府」にしなければならないと主張しますが、日本は先進諸国の中でも公務員数が少ない国であることは、少し行政のことを知っている方ならば常識であり、公務員を少なくすれば行政サービスの停滞を招くことも当然の帰結となります。
公務員削減をしてきた自治体の中には、行政サービスの企画・立案・事業の実施・監視・検証に手が廻らなくなってきている地域も出始めました。
無論、直接のサービスの担い手は民間等にお願いしてもです。
どうでしょう、「大きな政府」でなくても、「小さな政府」でなくても、ちょうどいい「中くらいの政府・普通の大きさの政府」ということにはできないのでしょうか。