中国訪問
- 2018年05月19日
14日~18日まで、日中平和友好条約締結40周年記念事業の一環として行われた、日中友好北海道議会議員協議会の中国訪問に参加していましたので、ブログをお休みさせていただきました。
今回の訪中は、北海道がこれまで重点的に交流を行ってきた「上海・瀋陽・北京」を訪れ、今後なお一層の文化・教育・スポーツなどの人的交流、そして、相互投資や経済交流の促進等について、各地の人民代表大会常務委員会(議会)、人民対外友好協会、人民政治協商会議委員会を公式訪問しそれぞれの代表と会談、意見交換などを行ってきました。
暫くぶりの中国は以前とは全く様相を変え、街中に車があふれかえり、近代国家へと着実に衣替えが進んでいるように感じました。
タイミング的にも李 克強首相が来日し、日中首脳会談後に北海道を訪れ、高橋知事とも会談、道産農産品の輸入に意欲を示し、とりわけコメの輸入に関わる指定精米工場や指定燻蒸倉庫に道内の施設を指定してくれた事もあって、各地での会談でもそのことが話題となり、和やかな中にも今後のなお一層の相互間交流促進について確認をいたしました。
各地の市内では、シェアリングの自転車が個別交通手段となっており、大手のOFO(オボ)、MOBIKE(モバイク)の2社がほぼ独占、キーに携帯電話をかざして施錠すれば誰が借りたかが登録され、使用後に鍵をかけると到着地までの使用時間・使用距離が算出され、ネットで精算がされることからシェアリングが一気に拡大したようです。
日本では大手ドラッグストアがこのシステムを始めたようですが、交通手段の主流になるには今少し時間がかかりそうです。
また、ネット出前が爆発的に進化して、ミネラルウオーター1本からでもデリバリーが出来、事情を聞いた限りでは、数ヶ月間一歩も家を出なくても暮らしていけるとのこと。
日本では出前は蕎麦、ラーメン、寿司、ピザなどですが、中国は、ほとんど全ての飲食店やスーパー、コンビニ、それ以外でもあらゆる商品のデリバリーが可能となっているようです。
このデリバリーやネット販売のプラットフォーマーであるBaidu(バイドゥ)やAlibaba(アリババ)、Tencent(テンセント)などは、それぞれ5億人から9億人ほどのユーザー数が有り、日本円に換算して約18兆円以上を売り上げています。
そして、驚くことに、買い物の支払いはほとんど全て携帯による決裁で、現金を持ち歩くという生活パターンは過去のものとなっています。
近くの商店でコーラ1本買うにも電子決済、私もホテル近くのコンビニ(ローソン)で買い物をした際、レジではカードすら使用できずに現金で支払いをしましたが、中国ではカードでさえ過去のものとなってしまったようです。
電子決済ではほとんど全ての買い物にポイントが付いており、このポイントも大きな魅力のようです。
国民も今まで考えられないくらい、マナーがしっかりしてきています。
街中に巡らされているカメラが瞬時に誰かを見分け、マナー違反があった場合に今まで貯めてきたポイントが減点される仕組みとなっていることから、バス停も綺麗に並んでいますし、車のクラクションも聞くことはありません。
良い面も有りますが、これだけ高度な監視社会の中で、全ての行動が管理されている事に大きな違和感を感じたのは私だけではなく、同行の参加者も同様でした。
電子決済の社会では、誰が何を嗜好し、何処の病院に通院し、どのような薬を服用しているか、例えば妊娠の徴候が有り産科で診察を受け、定期的にこの産科に通えば、ネットで妊娠中の生活に関わる商品、妊娠数ヶ月後には男子か女子かが判明し、ベビー用品や子どもに関する商品のカタログなどが送信されてきます。
いわゆるビッグデーターによって、私生活全てが丸裸になってしまいます。
今回の訪中では、電子社会、監視社会で管理される日本の市民生活の近未来を見るような震えを感じました。