予想通りの日米貿易交渉
- 2019年10月19日
15日午後~16日午前まで、東京で開催されました「全国自治体議員連合」の幹事会、総会、研修会に議員連合の会長として参加、さらに、16日~17日の午前まで「全国都道府県議会議長会」の国土・交通委員会、経済・産業委員会、役員会、共済会理事会に村田議長の代理として出席し、帰函後の18日には札幌にて道総務部との調整会議を日帰りで行ったために、15日~18日まで、ブログの更新が出来ませんでした。
さて、16日の報道では、この間行われていた日米貿易協定に関わる承認案なるものが国会に提出されタコとが報じられています。
既にご存じの通りですが、牛肉・豚肉・乳製品を中心とした農産物の関税で大幅に譲歩し、さらに、輸入量についても拡大され、反面、自動車や自動車部品の関税については先送りという内容は、茂木外相が言う「ウインウイン」とはかけ離れた結果となったというのが多くの評価です。
国会でも問題となったのは、米国側が発表した協定書の関連文書にある「自動車や自動車部品の関税撤廃については更なる交渉の継続」という内容について、茂木外相は「更なる交渉による関税撤廃」と勝手に英文を解釈し、強行に答弁を押し通し、来年1月1日の発効を目指していることです。
であれば、この問題についてはいつ交渉し、いつまでに関税撤廃の結論を想定しているのかの明らかにすべきではないでしょうか。
そのことには触れず、単に今後の問題とするのは逃げを打っているとしか思えません。
そして、今日発表されたのが、日米貿易協定による農産物の年間国内生産額が最大1,100億円減少するという試算です。
この試算も16日の予算委員会において野党が「協定の議論に入る前に影響の試算を出すべき」と迫り、政府が渋々提出したものですが、この試算についても過小試算ではないかとの疑問が専門家からも指摘されています。
米国は日本が開放する農産物市場の規模が約7,800億円にものぼると試算し、日本政府の試算も同額であるにも関わらず、国内農産物生産額の減少はその約7分の1でしかないとしており、その根拠も示されておりません。
政府は、この試算に基づいて農業への支援策を検討することになるのでしょうが、既に先行しているTPP11での影響額が最大約1,500億円と想定されていることと併せると、政府の試算を信用したにしても約2,600億円の生産減少額となり、この影響を北海道の農産業がまともに被るということです。
相変わらず米国の言いなりで交渉が進み、国民を騙し、農業関係者に犠牲をすることを痛くも痒くも感じない政府。
それでも、農業関係者は自民党を応援し続けるのでしょうか。