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五ノ井裁判での陳述(ブログ3346)

  • 2023年09月27日

 陸上自衛隊の性暴力事件に関する5回目の公判が25日に行われましたが、この中で、木目沢佑輔被告が「わいせつ行為」を否定、原告の五ノ井里奈さんが嘘をついていると主張しました。

 この日の被告人質問で、「五ノ井さんに格闘技の技をかける様にしてベッドに倒し、腰を押しつけるなどの行為は上官の命令で、自衛隊という組織は上司の命令は絶対という環境にあり、断り切れなかった。」と述べ、また五ノ井さんが性被害に遭ったと訴えていることに対し「訓練を逃れるための口実であり、嘘をついている。」と話しました。

 さらに、昨年10月、五ノ井さんに直接謝罪したのは、自らの意思では無く自衛隊側から「『いかにも反省しているという態度を見せるように』などと指導された。」とし、担当者から「土下座をしてくれ」と土下座されたことを明らかにしました。

 憧れの自衛隊に入隊し、柔道で五輪を目指そうとしていた五ノ井さんの夢は入隊後、見事なほど壊され、訓練の名の下に日常的にセクシャルハラスメントに晒されたことから苦悩の末自衛隊を退職、そして自ら本名と顔を出してまでもこの事件を告発しました。

 それは、自衛隊の中に多くいる女性自衛隊員の人権を守ることと、二度と同じような事が起こらない様にとの思いだったのではないでしょうか。

 昨年10月に目の前で土下座をし、直筆の謝罪文を手渡された時は本当に反省をしているのだろうと受け止めたことでしょう。

 しかし、結果として懲戒免職してから開き直ったのか、当時の行為は上司の命令であったこと、さらに、謝罪も自衛隊という組織からの依頼だったということであれば、今後も自衛隊内でのセクシャルハラスメントは無くならず、さらに「相談体制の充実」も画餅になりかねません。そして、これからも被害者が我慢するしかない組織と言うことになってしまいます。

 自衛隊員は、国を守り、災害に対するなど、その任務の遂行にあたっては自らを顧みずという崇高な信念をもって事に当たる実力組織として、国民から高い信頼を受けている自衛隊が、実は組織防衛に汲々とし、うわべだけを繕い、内部改革の意識は薄く、上意下達のみが組織維持の根本という姿を見せてしまったのです。

 この組織は、本当に変われるのでしょうか。


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