五輪への子ども動員
- 2021年05月02日
赤旗日曜版に「競技観戦に81万人動員」という記事が掲載されました。
これは東京都教育委員会が、東京五輪・パラに公立・私立幼稚園から高校、特別支援学校、小・中学生81万人を観戦者として招待するという計画を立て、コロナウィルス感染症が蔓延している現在も変更すること無く計画を推進しようとしているとのことで、大きな反響を起こしています。
都教委は「強制・共助社会の実現」を目標に、五輪・パラと連携した教育を実践し、その一環として児童・生徒に各会場で観戦して貰うという考えで、平時であれば、五輪憲章の意義を理解し、世界的なスポーツイベントに集う1流のアスリートのパフォーマンスに触れる事に教育的意義があり、児童・生徒の思い出にも残るものと理解しますが、今は世界的なコロナウィルス感染症のパンデミック状況で、仮に政府や東京都組織委員会、IOC、JOCが開催を決定した場合でも観客数の制限か無観客かを検討することになっており、さらには開催が中止の方向に向かうかも知れないという時期です。
ましてや変異株が若年者にも襲いかかり、さらに増幅している実態を見れば、例え大会が開催されても、コロナ禍での観客数の制限をせざるを得ない会場に児童・生徒を巻き込む事が賢明な判断なのでしょうか。
さらに、移動には電車やバスなどの公共交通機関を利用することになっており、15歳以下の児童・生徒はワクチン接種の対象にもなっていない中、「密」な環境に晒されます。 そして、屋外競技では炎天下にも晒されマスクを着用することで熱中症の危険も危惧されます。
都教委は、今でも計画を推進する立場を崩さず、「これは動員では無く、各学校が観戦したいという希望であり、その結果81万人となった」とあくまでも各学校の希望であることを強調し、都教委独自の感染対策にも触れていません。
しかも、夜間の試合や土・日や休日も含まれ、学校によって観戦当日が授業日の場合は参加しないと欠席扱いになります。
その上で、代替え措置などをどう扱うかは各校の校長の判断としています。
東京都で81万人ですが、これが全国に拡大すると何と128万人の参加が予定されています。これでは、五輪・パラの大半の観客を児童・生徒が担うことになってしまうのではないでしょうか。
北海道も、マラソン、競歩、サッカー予選が行われます。
道教委は、どのような考えなのか、連休後に問い合わせをしてみたいと思います。