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五輪まで9ヶ月

  • 2020年11月01日

 IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長が、10月28日に訪問した韓国のSBSテレビのインタビューで、東京オリンピックの中止論について、「憶測だ」と反論したようですが、当事国である日本では、静かに少しずつその方向に傾斜しているようです。

 菅氏は、所信表明演説で「コロナウィルス感染症に打ち勝った証として東京オリンピックを開催する。」と述べていましたが、ゲンダイ・デジタルによりますと、大会組織委員会に出向していた職員が徐々に「帰任」しているとのこと。

 記事によると、

<ある組織委員会関係者が、「2014年1月に組織委員会が発足したときは職員の数は60名前後でしたが大会時には約8,000人規模とする計画になっている。ところが、大会延期時の今年4月に3,800人超だった職員は、現在約3,500人に減少している。延期決定後、毎月数十人単位で帰任している。」と話し、また、東京都の関係者は、「都からは昨夏時点で1,500人程度が組織委に出向していましたが、続々と戻ってきています。今夏までに400~500人が帰任しました。現在、組織委に残っている職員は『大会に関する動きが無く、上から指示が下りてこない』、『いつまでここにいなければならないのか』と不安がっています。また、都庁ではコロナ対策のために新設された組織に人が割かれている。慢性的な人手不足で、再び組織委に出すのは物理的に厳しい。  さらに、スポンサー企業に帰任した職員についても、既に別の仕事に就いているケースが多く簡単に組織委には出せないだろう。」と話している。

 一方、「五輪中止」の兆候は警察人事からも見て取れる。8月末、五輪警備の中枢を担う事を期待されていた警視庁警備部長が北海道警察本部長に異動、警察庁も警備が専門だった五輪担当審議官の後任に“門外漢”が就任。警備のプロの首がすげ替わったことで、警察庁内では『やっぱり注視なのか』との声があがっている。>と記載されています。

 コロナウィルス感染症の拡大で、今のところは五輪延期となっていますが、行政にしてもスポンサー企業にしてもコロナ禍への対応で大変なダメージを負っています。

 秋から初冬に季節は移り、ヨーロッパを中心に感染者が拡大し、フランスもパリをロックダウンとしましたし、ドイツも外出規制が再び行われ、日本も寒さの到来と供に北海道でも1日の感染者数が過去最大になってきました。

 インフルエンザとコロナウィルスのダブル感染も懸念され、今後、徐々に寒さが南下し始めれば12月から2月に感染者が増加し、今年の状況を振り返ると3月・4月に向けて感染者がピークとなり、5月の連休以降も先が見えません。

 消費は落ち込み、スポンサー企業も経営の先行きが見えず、行政も感染症対策に追われるでしょう。

 誰もがトランプのような治療を受けることは出来ません。

 ワクチンも十分な臨床試験を経たものではなく、治療薬も副作用が克服されず不安定なものでしかありません。

 五輪まで残すところ9ヶ月、年が明ければ開催か中止かの判断が待っています。菅氏の強い願望と現実では、相容れない乖離が徐々に広がっているように思います。


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