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五輪誘致へ猪突猛進

  • 2022年04月13日

 北海道新聞が独自に行った世論調査で、30年の冬季五輪札幌招致に対する札幌市民の反応は賛成が42%、反対が57%という結果になり、同じく道民を対象にした世論調査では賛成が51%、反対が48%という結果だったと報道されています。

 札幌市が独自に行った意識調査は3月16日に発表されましたが、この時は札幌市民を対象とした郵送調査では賛成が52%、反対が39%、札幌市民と道民を対象としたインターネット調査では賛成が57%、反対が26%、映画館に来場した札幌市民と道民を対象とした街頭調査では賛成が66%、反対が26%となり、平均すると開催に賛成が58%、反対が30%という結果でした。

 札幌市と道新では調査数や設問の問いかけに差異はあったかも知れませんが、金メダルラッシュや道民選手の活躍で興奮が冷めやらない北京冬季五輪直後に行った札幌市の世論調査と、少し冷静になった今回の世論調査では、札幌市民や道民の意識にも変化が現れた結果だと思います。

 しかし、秋元札幌市長は3月16日の調査結果を重視し、札幌市民は52%が賛成だったとして、今日、「北海道・札幌2030プロモーション委員会」を設置することを公表しました。

 その設置目的は<札幌・北海道、日本における開催意義の議論を深め、招致機運の情勢をはかり、日本全体に開催の利益がもたらされるよう、オールジャパンで構成される組織とする。>とのこと。

 秋元市長は、丁寧な市民意見の公聴、多様な分析を行うという慎重な検討を度外視して誘致ありき、既成事実ありきの判断をしたのではないかと疑問を抱きます。

 IOCは、昨年の東京五輪で味わった美味しい味が忘れられない様ですし、JOCは冬期開催が組織の存在意義のように振る舞っています。

 プロモーション委員会にJOCや政府関係者が名を連ねた場合は、猪突猛進のごとく開催誘致へ進むことになるでしょう。

 札幌市が製作した概要計画のパンフレットを見ても、開催の目的や基本理念は抽象的で、内容全体を見ても「開催の意義」が伝わってきません。

 札幌市は市長、そして議会も一体となって誘致を進めようとしています。

 今一度、冬季五輪が開催地に何をもたらすのか、過去の開催地の検証も含めた慎重な議論が必要では無いかと思います。


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