交付金の無駄使い
- 2022年09月14日
政府が、追加の物価対策をまとめ、予備費から3兆円を拠出して住民税非課税世帯に5万円給付する他に、ガソリン補助金を年末まで延長するなどを決めました。
物価が天井知らずに上がり、日々の生活に追われるのは非課税世帯だけでは無く課税世帯も同様のことです。確かに非課税世帯は一番大きく影響を受けることになりますから、そこにシフトすることを仕方の無いことだとは思いますが、資産を有している非課税世帯にも一律とは、誰が聞いても納得がいく話では無いと思います。
また、物価高対策として各自治体の地域実情に応じた地方創世臨時交付金に6,000億円を増額をしましたが、これまで、コロナ対策として交付されてきた多額の地方創生臨時交付金が、この間どのように使われてきたのか、その実態を政府は抑えてはいません。
週刊金曜日に、様々な課題について取材を行っている独立メディアである「Tansa(タンサ=探査)」が、47都道府県と約1,700の自治体、約6万5,000事業に対して調査を行い、そのうち全国ワースト100の事業について掲載されていました。
あくまでも、「新型コロナウィルス感染症対応地方創生臨時交付金」ですが、これが無駄使いでは無いのかと思われるワースト100事業のほんの一部を再掲します。
・北海道:五輪聖火リレー計画の策定(3,000万円)、 ・北海道東神楽町:お米2kgを全世帯に配布(809万円)、 ・北海道浜頓別町:干し貝柱を全世帯に配布(473万円)、 ・岩手県普代村:役場庁舎のエレベーターの改修(1,430万円)、 ・新潟県五泉市:婚活マッチングシステムへの入会登録料補助(55万円)、 ・群馬県沼田市:withコロナのロゴ入り風呂敷を作成し、市民に販売(419万円)、 ・東京都千代田区:全区民に対し一律12万円を支給(81億5,340万円)、 ・東京都八丈町:全町民に9ヶ月分の水道代を全面補助(3億5,000万円)、 ・石川県能登町:巨大イカモニュメントを制作(3,000万円)、 ・長野県豊岡町:幹線道路の街路灯をLEDに変更、 ・兵庫県西宮市:体育館の自動扉設置工事(328万円)、 ・島根県吉賀町:災害時の非常食を購入(50万円)、 広島県三次市:老朽化していた公用車を購入(1,724万円)、 ・徳島県佐那河内村:村民の県外の親戚などに特産のスダチを送る(101万円)、 ・香川県三木町:75歳以上の高齢者に布マスク1枚を配布
(360万円)、 ・高知県東洋町:スポーツトラクター1大を購入(526万円)、 ・福岡県筑前町:稲わらで「巨大わらかがし」制作、複数箇所から花火の打ち上げ(510万円)、 ・長崎県川棚町:町長などの幹部用公用車を購入(385万円)、 ・鹿児島県南九州市:小中学校に給茶機を設置(1,030万円)等々、調査の氷山の一部です。 これを見て皆さんはどう思いますか。
これだけの無駄遣いに財務省も内閣府も「これだけ(約6万5,000事業)の事業数は検証できない。」と最初からギブアップ状態です。
そうなれば、今回予算化されるだろう物価高対策の約6,000億円の地方創生臨時交付金も、同じように検証できないということです。
疑いたく有りませんが、各自治体は「物価が上がることから、何でも上がる前に対処した」と開き直るかも知れません。各自治体の監査機能や議会のチェック機能も問われます。