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人権無視の政権

  • 2017年05月31日

 国連人権理事会特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が共謀罪法案の問題点について「警察や公安や情報機関の活動が、民主的な社会に準じたものか。必要でも妥当でもない程度までプライバシー権を侵害しているかどうかについて懸念がある。この懸念にはGPSや電子機器などの監視方法を警察が裁判所に要請した際の裁判所の力量も含まれる。」、「警察に容疑者情報を得るための令状を求める広範な機会を法案が与えれば、プライバシー権への影響が懸念される。」、「日本の裁判所は令状要請に安易に応じる傾向があるとされる。2015年に警察が申請した通信傍受の請求は全て裁判所によって認められた(却下は3%以下)との情報がある。」と懸念を示した文書を安倍晋三に送った問題について、菅義偉は、「指摘は当たっておらず、国連に抗議した」と記者会見で息巻いていました。

 そして、安倍晋三は、G7からの帰国後、グテレス事務総長から「ケナタッチ氏の主張は、必ずしも国連の総意を示すものではない」との発言があったことを報告、これを受けて菅義偉は「特別報告者は個人の資格で調査報告を行う。国連の立場を反映するものではない。」としたり顔で話していました。

 しかし、朝日新聞によると、これらG7でグテレス事務総長が発言した内容について、国連のデュジャリック報道官が、「特別報告者の立場について、独立した専門家で、国連人事委員会に直接調査結果などを報告する。という内容を安倍首相に伝えた。」との見解を示したことから、安倍晋三と菅義偉は自らの都合の良い嘘を国民に伝えていたことが明らかになりました。

 日本は、昨年の7月に「世界の人権保護促進への日本の参加」という文書を発し、「特別報告者との有意義かつ建設的な対話の実現のため、今後もしっかりと協力していく」と約束していたのに何という身代わりの早さか。

 と言うよりも、気にくわないことがあれば国連であろうがすぐに圧力をかけ、嘘で国民を煙に巻く政権であることを世界にも明らかにしたようなものです。

 人権問題ではもう一つ、沖縄辺野古基地建設反対運動のリーダーであった「山城博治氏」を逮捕し、常軌を逸した152日間も拘留していたことに対し、国際人権法や国際人道法の専門家であるデービット・ケイ氏ら国連の特別報告者3人と1機関が、長期間拘留していたことについて懸念を示した文書を政府に送っていましたし、辺野古新基地に抵抗する市民への過度な権力行使にも警告を発していました。

 政府は解答で、「適切に対応した」、「主張は完全に間違っている」と否定しましたが、国連の特別報告者は、6月に開かれる国連人権理事会でこのことを報告するすることにしています。

 国際的にも、安倍晋三が行っている様々な人権弾圧に対し、異常であることが問題になっています。

 憲法の基本的人権は擁護するなどという嘘が、国際的にも指弾される時が来るでしょう。


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