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付則と第三者機関(ブログ3645)

  • 2024年07月30日

 この5月あたりまで、裏金問題に関わる大問題を収めたい自民党は、各種選挙への影響を含め野党と国民の怒りを少しでも少なくしようと腐心していたことでしょう。

 しかし、企業・団体からの寄付や政治資金パーティーのパー券購入、そして、政党助成金から各議員に分配されていた政治活動費の使途にも国民の怒りの波は収まることが無く、それが各種選挙の結果にも表れていました。

 この政治資金の問題の一つとして、野党は自民党の大物議員が5億円にもおよぶ政治活動費を手に入れながらその使途を明らかにすること無く、選挙にも利用した疑いがあることから政治活動費そのものを禁止すべきと主張していました。

 しかしながら自民党議員達は、この政治活動費を手放したくなくアンタッチャブルな存在にしたい思惑が働き、これを政治資金規正法の改正に盛り込むことに反対の立場でした。

 野党は、少なくても政治活動費の使途をチェックする第三者機関を設置を改正法に盛り込むべきと主張。自民党は、苦肉の策として改正政治資金規正法の本則に書き込まずに付則として明記することで野党の理解を得ようとしました。

 これに対し野党は承服しかねると言うのが基本の考え方でしたが、維新の会が抜け駆けをして自民党の案に賛成し、付則を盛り込んで改正政治資金規正法は成立に至りました。

 当然のことですが、付則ですから具体的な設置時期や権限などは明記されておらず、その検討さえも各党で温度差が大きくなっています。

 法の施行は来年の1月ですから、与野党で協議するにしても時間があって無いよう期間です。自民党は、その間に自民党総裁選があり、衆議院の解散総選挙も年内に想定されていることから、国民は第三者機関の設置など忘れてしまうと高をくくっているに違いありません。さて、本当に第三者機関は設置されるのでしょうか。

 私の経験では、法や条例、予算などに賛成する場合に付則を盛り込むことがありますが、道議会という地方議会では、これが守られたと言うことを経験した記憶がありません。

 つまり付則とは、提案された法令や条例、予算には賛成できかねるが、その付則をつけることで「単純に賛成したわけでは無い」という言い訳を持つことに他ならないと私は思っています。

 したがって、改正政治資金規正法も、採決するときは付則を付けることで国民の理解を薄める一助としたのかも知れませんが、採決が終わり時が経てば付則があったことさえ過去のことになってしまう懸念があるということです。

 多分、来年の1月からの改正政治資金規正法の施行までに第三者機関は設置される事は無いでしょう。もし設置されてもほぼ権限の無いものになってしまうのでは無いかと思います。


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