仮面が剥がれた
- 2014年08月23日
2・3日前の朝刊「シリーズ評論:安倍政権と安全保障」という特集記事にジャーナリストの「櫻井よしこ氏」のコメントが載っていました。ご存じのように保守の論客と言われている方です。
この中で、氏は「友人と歩いていて、相手が攻撃されているのに逃げたら友情関係は無くなる。国同士も同じ。」と、友情という誰もが持っている心情に置き換えた例えを引き合いに出しましたが、この例えは正しいのでしょうか。
友人(米国)が誰にも危害を与えず普通に歩いているならば、攻撃される事は無いでしょう。しかし、この友人は世界で一番強いのだと誇示し、どこかで喧嘩があれば必ず首を突っ込み、片方に味方して相手をやっつけることをいつも行っています。そして、それを正義だと言って憚りません。味方も多いですが、敵も多く、相手をやっつける武器も沢山持っています。
そして、私(日本)は、決して喧嘩はしないと世界中に宣言し、 武器を使うこともなく、今日まで過ごしてきましたし、友人もそのことは十分に知っています。
友人は攻撃されても、攻撃した相手を完膚無きまでにやっつける実力を持っています。
私が友人と一緒に相手をやっつけることなど、これまでもありませんでした。
その私が友人が攻撃されたからといって、その場を逃げるのではなく、友人が怪我をした場合には得意の医療でキズを癒すなどを無償で行ってきましたし、そのことで友情関係が無くなったこともありません。
また、「中国が尖閣列島が危険な状態になり米艦戦が攻撃されたら、助け合うために集団的自衛権を行使すべきだ。」とも話されています。
この人は本当にアベシンのシンパなのだなあと感心しました。
アベシンが「日中間に領土問題は無い」と断言している根底には、尖閣諸島は日本領土であるということで、そういうことであれば日本の領土を守る個別的自衛権の発動で事に当たるのが当たり前であり、集団的自衛権の発動とは言いません。
米艦戦はたぶんその場にいても中国側を攻撃しないと思いますし、中国とて米国と一戦交えることは考えられませんから米艦戦が中国から攻撃に遭うことは考えにくく、「櫻井よしこ」ともあろう方がそんなことも判らないとは思えません。
氏の話された内容が、屁理屈で根拠のない理由であることはご本人も重々知ってはいるでしょうが、これしか説得材料が無いということを自ら認めたに等しい、レベルの低い内容としか言いようがなく、これでは国民を説得することはできないと思います。