伊方原発差し止め判決
- 2020年01月21日
広島高裁で、伊方原発の運転を認めない仮処分が決定しました。
昨年3月、山口地裁岩国支部での判決は、「地震動や火山リスクの評価について、不合理な点は無い」と四国電力の主張を全面的に採用した判決を行いましたが、その判決文は多くの専門家の非難を受けるほど杜撰で、端から住民の申し立てを却下しようとしているような説得力に欠けたものでした。
当然、住民側は控訴しましたが、やっと高裁で仮処分が決定しました。
伊方原発は、愛媛県西宇和郡伊方町に有ります。
四国の最西端で細長く伸びる佐多岬半島の付け根に位置し、北側には日本最大級の中央構造線断層帯が通っているだけではなく、南側には南海トラフ巨大地震の震源域に達しています。
佐多岬半島の付け根にありますから、それ以西に住んでいる約5000人の住民は、陸での避難が出来ないという地勢となっており、避難計画も不十分のままとなっています。
また、対岸40km県内には山口県の上関原発と、同じく対岸50km県内には人口約47万人が居住する九州の大分県大分市があります。
どだい、そのようなところに設置すること自体問題があるにも関わらず、稼働するなどもってのほかです。
先日には、この伊方原発で使用済みとなったMOX燃料が取り出されました。
しかし、この使用済みMOX燃料は、再利用のめどが立っていないことから敷地内の燃料プールに保管されることになっています。
また、この使用済みMOX燃料は、通常の使用済み核燃料よりも放射線量が高く、しかも高温で、危険性に関わる懸念は計り知れません。
どの角度から検証しても、伊方原発の再稼働を行ってはいけないのは明白です。
いくら金をかけようと、技術の進展が期待されようと、原発に絶対安全はないのです。
四国電力は、無駄な不服申し立てを行わず、このまま静かに休炉とするべきです。