会計年度任用職員の手当拡充(ブログ3116)
- 2023年01月23日
21日のブログで、自治体に採用されている「会計年度任用職員」の雇い止めについて掲載させていただきました。公的な仕事をしていますが、契約は会計年度つまり1年ごとの更新で3年を上限とし、言葉は悪いですが後は「使い捨て」となる事への問題提起です。
一方、今日の道新には、総務省が会計年度任用職員の手当支給を拡大するという方針を決めたことが掲載されていました。
この手当は、公務員に支払われている年2回の期末手当(ボーナス)の事です。
これまで、自治体の臨時職員や嘱託職員などは非常勤職員に分類され、期末手当の支給対象外となっていましたが、2020年に非常勤職員を会計年度任用職員制度に移行し、期末手当を支給できる制度を採り入れました。
このことは一歩前進ですが、そこには依然として正職員との格差が残されていました。
正職員の期末手当は本則分と勤勉手当の合計が支給されますが、会計年度任用職員の場合、人事院規則により基本的に勤勉手当の支給対象外となっています。
従って、期末手当が支給されることになりましたが、正職員と同様と言うことにはなりません。ある自治体の場合(各自治体で勤勉手当の支給率の違いはある)、
○正職員
6月:1.20月(期末)+1.00月(勤勉)=2.20月
12月:1.20月(期末)+1.00月(勤勉)=2.20月
合計 4.40月
○会計年度任用職員
6月:1.20月(期末)
12月:1.20月(期末)
合計 2.4ヶ月
となっており、正職員と会計年度任用職員の間には2ヶ月分の格差が生じています。
無論、勤勉手当の支給には上司による人事評価が重要視されますから、正職員だからといっても、全てが4.4ヶ月支給される訳ではなく、これ以下の職員も存在します。
一方、会計年度任用職員は、基本的に1年間の会計年度で終了することから、これまでの地方自治法には勤勉手当を支給する規定がありませんでした。
それを見直し、24年度から勤勉手当の制度を会計年度任用職員にも導入できれば、一定の収入増が見込めることになり、150万円~200万円という低所得の会計年度任用職員にとって、福音となることあきらかですが、自治体にとっては人件費の支出が増えることになります。
しかし、自治体が低所得の会計年度任用職員に何の手立ても行わないのは大きな問題と言えるでしょう。自治体行政の一翼を担っている会計年度任用職員の更なる給与改善は自治体の責務と言えます。
後は、先般も掲載しましたが、会計年度任用職員の雇い止めの解消です。
地元の雇用促進と労働環境の整備は、労働行政を担う自治体の責務ですから、自ら採用している会計年度任用職員の給与改善と雇い止め解消について更なる見直しを行うことは行政として当然のことだと思います。