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会計年度任用職員(ブログ3114)

  • 2023年01月21日

 自治体で働く職員の中には、非正規公務員である「会計年度任用職員」という制度があります。

 この会計年度職員は、業務繁忙期や職員の途中退職、育児休業などの理由で欠員が生じた場合や、責任を伴わない軽微な業務などで職員の補助を行うために1会計年度内(1年間)を任期として採用される非常勤の職員で、これまでの臨時職員や嘱託職員に代わる制度と言うことになります。

 自治体の平均では、職員構成の77%が正規職員で、23%が非正規職員(会計年度任用職員)という数字が出ていますが、会計年度任用職員の割合は年々微増しており、約その4分の3を女性が占めています。

 職種では、3割が一般事務職員(平均時給990円)で、次いで給食調理員などの技能労務職員(平均時給1,014円)、保育所保育士(平均時給1,156円)、1週間当たりの勤務時間は23時間15分~31時間00分未満が最も多く、週3日間の場合は1日7時間45分、週4日の場合は1日7時間、週5日の場合は1日6時間に設定する場合が多くなっています。

 会計年度任用職員の任期は、先ほど述べたように1会計年度(1年間)で、翌年度に同じ職に採用される場合でも、あくまで「新たな職に改めて任用されたもの」と整理され、更新回数は原則2回まで、すなわち3カ年間が任用期間の上限となりますから(自治体によっては5~6年という場合も有る)、そこまでで「雇い止め」ということになり、対象職員は雇用の不安の中で仕事をする事になります。

 そして今回、道内の各自治体で会計年度職員の3,000人超がこの3年間雇い止めに遭うことになります。

 民間企業では、労働契約法に基づいて、有期雇用(雇用契約上、雇用年限が決まっている)労働者が同じ企業で5年以上働けば、労働者の申し出により無期労働契約(雇用年限の無い)に切り替えられる「無期転換ルール」が規定されています。

 しかし、民間ではなく自治体職員である会計年度任用職員は、労働契約法が適用されず、したがって無期限転換ルールが適用されません。

 例え、自治体によって5~6年の会計年度を認めている場合でも、同じく任期の定めのない正規職員に転換されることはありません。

 時給は先に掲載したとおりですから、民間企業のパートタイム平均時給1,412円よりかなり低く、5割以上が年収200万円未満のワーキングプアとなっています。

 地元の雇用促進や労働環境の整備は自治体の業務です。

 その自治体が、会計年度任用職員という制度を使い、官製パーキングプアを作る事に何の抵抗も感じずにいることは、大きな問題だと思います。

 例えば継続的に3年間任用が必要な職種は、継続的に必要な職種であり、そこで問題なく働いている職員を会計年度で一律再公募したり、3年間で雇い止めすることに何の意味があるのでしょうか。

 職種によっては、図書館司書、博物館学芸員、社会教育指導員、各種相談員など多くの専門職が会計年度職員として働いています。

 自治体によっては、任期を区切らず任用の継続を行っている場合もあります。

 雇用の劣化は街の生気を失う結果に繋がります。自治体がその原因である事は許されないことではないでしょうか。


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