低賃金で良いサービス?(ブログ3531)
- 2024年04月02日
自治体の非正規職員(主に会計年度任用職員)の数が年々増加しています。
既に昨年の4月時点で会計年度任用職員は約66万人で、ここ3年間で4万人も増えた事になります。
そして、全職員の半数近い自治体も珍しくなくなったようです。
その職種は、一般事務やその補助だけでは無く、図書館司書や保育士、看護師、保健師、スクールカウンセラーなど専門的知識や経験が求められる分野も少なくありませんし、市民のプライバシーに関わる市民相談にも携わっており、また、雇用行政の最先端であり市民の雇用問題の相談や就業先を斡旋するハローワークの職員も非正規職員によって維持されています。
因みに道の場合は、知事部局の職員が23年度で14,102人在籍していますが、その内の9.7%、1,367人が会計年度任用職員で平均給与は、約197万円で、まさしく官製ワーキングプアーと言うことになります。
今年は、春闘で多くの大企業が平均5%を超える賃上げを勝ち取っていますが、この数字は非正規職員には無関係の数字です。
公務員の場合、人事院が民間の給与調査を行い、その格差を調整するために7月に人事院勧告が出され、8月には国家公務員の賃金がアップされ、それを基に11月には大体の自治体が給与のアップ率を決め、12月には、4月に遡ってアップ分の差額が支払われる事になりますが、会計年度職員は蚊帳の外になります。
昨年から、期末勤勉手当、つまりボーナスという手当が、支払われることになりましたが、それにしても金額は年2回合わせても20万円になるかどうかです。
そしてこれらの職員にも、責任有る業務が求められます。
年収が、やっと200万円という最低の所得にありながら、正規職員と同じように市民が満足するサービスが求められます。
これが、労働に見合った賃金だと言えるのか。
確かに勤務時間は正規職員の4分の3の約6時間と言うことですが、業務内容の実態と現実ぼ間に解離が無いとは言えない事もあります。
また、3年間で雇い止めという制度も、労働行政を担う自治体として「よし」とするわけにはいかないものではないでしょうか。
この問題は、行政や議会も含めて早急に解決していかなければならない大きな課題だと思います。