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佐賀県知事の判断

  • 2018年08月25日

 自衛隊が保有することになるオスプレイ17機の配備先として、防衛省から案が示されていた佐賀県の佐賀空港、これまでは地元住民の反対があったことから配備が棚上げになっていましたが、昨日、佐賀県の山口知事が防衛省の要請を受けることを決定しました。

 国が着陸料として20年間で100億円支払うことが判断の決め手となったようです。

 またしても国は「金」で解決を図ろうとし、地元の首長は「金」で受け入れを決めてしまいました。

 以前、石原伸晃元環境相が、フクシマ第1原発事故で汚染されて高濃度放射性廃棄物となった汚染土の中間長蔵施設を、福島県内の大熊町と双葉町に作ろうとして地元住民から反対があった時のぶら下がり記者会見で「最後は金目でしょ」と発言したことを覚えている方も多いと思いますが、「最後には金さえ積めば住民は屈する」という政府の本音の姿が、この佐賀県でも見られることになりましたし、県民の代表である山口知事が県民の不安や安全を、まさしく「金目」で決着してしまいました。

 山口知事の父は航空自衛官であり、防衛省にはそれなりの親近感があったのかも知れませんし、ご自身は大学卒業後、総務省に入省し、消防庁、内閣官房の他に秋田県、鳥取県、長崎県へも出向経験があり、最後は総務省を辞職して佐賀県知事選に立候補して、当選をしましたから、内閣官房にも十分すぎる縁が有るようです。

 そのようなプロフィールから、今回のオスプレイの話が持ち上がったとき以降、住民と防衛省の間に立ち、橋渡し役を行ってきたのではないかと思います。

 ちなみに、この山口知事が立候補した2015年1月11日の知事選には、保守層だけではなく、連合佐賀、民主党、社民党の県連などの幅広い支援を受けての当選でした。

 そのことも有ってか、就任後の記者会見では、前知事の古川康氏が容認姿勢を示していた陸自のオスプレイ配備について、これを白紙に戻し、佐賀空港への配備計画の内容や住民への影響を再検証した上で判断する考えを表明していました。

 果たして、配備計画の内容は明らかになったのでしょうか、そして、住民への影響を再検証しての判断だったのでしょうか。

 配備計画は、有明海に面した佐賀空港の西側約33ヘクタールに駐屯地を新設し、オスプレイ17機を配備するほか、陸自目達原駐屯地のヘリを50機移駐させるようです。

 新たに、オスプレイを含む67機のヘリ部隊が駐屯し、日常的な訓練だけではなく日米共同訓練も行われる事になりますが、事故や騒音などの住民への影響はどのように検証されたのでしょうか。

 ましてや、1990年3月の佐賀空港着工時に地元漁協と交わした協定書の付属資料には、「県は空港を自衛隊と共用するような考えを持っていない」と明記されているとのこと、この約束も県は反故にするつもりでしょうか。

 空港を作るときの約束が反故にされ、国が行った諫早湾干拓事業では、有明海諫早湾の自然環境が壊され、漁業に大きな影響が生じ、国と訴訟まで行っている漁協の組合員が地権者の多くを占めている現実を、知事はどのように受け止めているのでしょうか。

 多くの県民の支持を得た山口知事の改選は、今年の12月です。


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