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何年先まで原発に依存?(ブログ3211)

  • 2023年05月08日

 東日本大震災によるフクシマ第1原発事故後、泊原発は全機停止し、そのまま定期検査に入った後に休止、経産省に原子力規制委員会が設置され、新たな知見による審査基準による適合が、再稼働の条件となりました。

 泊原発は休止している1・2・3号機のうち、一番新しい3号機について新基準への申請を行い、その後1・2号機の申請を行うこととしましたが、3号機は規制委の新審査基準に適合すること無く11年が過ぎました。

 この間にも年間約600億円の維持費が積み上がり、維持費の合計は約6,700億円にも上っています。

 さらに、安全対策にこれまで約2,000億円を投入していますが、それでもなお規制委から「適合」の言葉は貰えずにいます。

 そして、指摘されていた津波対策の大規模な防潮堤は基礎が岩盤に届いておらず、揺れによる液状化が指摘され、現在はこの防潮堤を撤去し、新たに岩盤まで到達する防潮堤を新設する事になっており、何だかんだで、泊原発には安全対策として約1兆円の資金が投入されることになります。

 以前にも指摘したように、北電はこの原発の「損益分岐点」を一体いくらに置いているのでしょう

 「原発が再稼働すれば年間約220億円以上の経常利益を生み出す」と北電は皮算用していますが、約1兆円に及ぶ維持費・安全対策費用を回収するには、40年以上の歳月が必要となります。

 1号炉は1989年の運転開始から今年で34年、2号機は1991年の運転開始から今年で32年、3号機は2009年の運転開始から今年で14年が経過、したがって、60年寿命で考えれば、残りは1号機=26年、2号機=28年、3号機=46年となりますから、全3機で費用を回収することが難しい事は、簡単な算数でも分かります。

 さて、北電の目論み通り2026年に3号機が稼働したとして、政府が考えている「運転休止期間14年を上乗せ」するとすれば、残り60年、1・2号機は、未だに規制委に再稼働の申請をしていませんから、先は見通せません。

 そして、休止期間中でも原子炉、及び格納容器、冷却配管などは放射線を浴び続けています。

 この先、使用済み核燃料の再利用も出来ないまま、他のエネルギーへシフトすること無く原発をこの先60年以上2080年過ぎまで使用するとは、代替エネルギーにシフトする科学の進展からも考えづらいとは思わないのでしょうか。

 政府・北電は、これからも旧態依然の方策のまま思考停止していくのでしょうか。


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