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使用済み核燃料を敷地内保管(ブログ3477)

  • 2024年02月09日

 関電(関西電力)が、福井県の高浜原発、大飯原発、美浜原発それぞれの構内に、使用済み核燃料の乾式貯蔵施設を設置する計画を明らかにしたことが報道されました。

 福井県の杉本知事はこれまで、既に関電高浜原発敷地内の冷却プールに保管している使用済み核燃料が、23年6月現在で約83%にも及んでいることから、このままでは最終処分場になりかねないと危惧し、関電側に対し、使用済み核燃料の県外搬出を行わない限り、原発の稼働は認めないことを通告、関電は、むつ市・東電・日本原電の三者が協定を結んで再処理工場(ほぼ破綻した計画)が出来るまでのあいだ、一時保管するために建設したむつ市の中間貯蔵施設を利用できないかと東電、日本原電と協議を行い了解を得ましたが、当該のむつ市がこれを拒否しました。

 杉本知事から申し入れもあり、23年9月、関電は、中国電力と手を結び、現在、地元の反対で建設できていない山口県上関町の中国電力敷地内に中間貯蔵施設を建設する事として、その調査に入りましたが、仮にその施設が建設を開始したとしても、ボーリング、環境影響調査そして建設なども含め30年からの運用となる事から、それまでの間の対処が必要になってきました。

 窮余の策として浮上したのが、各原発の敷地内での乾式貯蔵施設の建設です。

 乾式貯蔵施設は、燃料プールで冷やされた使用済み核燃料を金属製で円筒状のキャスクに密封し、鉄筋コンクリート製のパネルで覆い、空気の自然対流で冷却する仕組みです。

 3原発の使用済み核燃料の年間排出量から施設は700トン(計1530体)を収容する事になり、その内訳は、高浜原発で約350トン(768体)、大飯原発で約250トン(552体)、美浜原発で約100トン(210体)となっています。

 しかし、それぞれの施設がこの程度の収容量では、27年の1年間分で満杯となり、28年分からの使用済み核燃料の行き場がない事になります。

 この計画に福井県の杉本知事が果たして納得するのか、そして、やっぱり原発は使用済み核燃料という「負の遺産」を抱え続けなければならないと言うことをこの事象でも証明してしまいました。

 この関電の使用済み核燃料の保管について、昨年10月16日のブログ3365で、指摘していましたが、私の予想通り、各原発の敷地内での保管に関電が舵を切ったと言うことになります。


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