背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

使用済みMOX燃料

  • 2020年10月21日

 MOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物=再処理核燃料:今のMOX燃料は海外で再処理をしたもの)を使用して発電を行っている「プルサーマル」は、現在、国内では九州電力・玄海原発3号機、四国電力・伊方電発3号機、関西電力・高浜原発3号機および4号機の4原発となっています。

 このうち玄海原発3号機で初めて使用済みMOX燃料が発生することになるようです。

 12月まで行っている定期検査で生じることになりますが、具体的な搬出先や処分方法は決まっておらず、原発敷地内での長期貯蔵に対する佐賀県民の懸念が強まる可能性があると、佐賀新聞が伝えています。

 玄海3号機は、2009年12月、商業用で国内初めてプルサーマルを開始しました。

 原子炉には最大で48体のMOX燃料を装填することが出来ますが、、現在は36体を装填しており、最初に装填した16体が交換の目安となる3サイクル(1サイクル=16ヶ月)の運転を終える事になり、九州電力も「使用済みMOX燃料が発生する見込み」である事を認めています。

 通常の使用済み核燃料は、これまで自らの原発内にある冷却プールか、または再処理を前提として青森県六ヶ所村に日本原燃が整備している中間貯蔵施設に搬出されてきましたが、問題は、使用済みMOX燃料はそれが出来ないということです。

 現在六ヶ所村に設置されているのは、使用済み核燃料の再処理工場で、ここで使用済み核燃料は粉末のMOX燃料となり、それを加工工場において原発で使用出来るMOX燃料に加工しますが、その使用済み核燃料でさえも再処理の目処は立っておりません。

 さらに、受け入れはあくまでも「使用済み核燃料」で、「使用済みMOX燃料」を受け入れる事にはなっていません。

 問題の使用済みMOX燃料を再処理するには、新たな「第2再処理工場」が必要となりますが建設地や処理方法はまったく決まっておりません。

 政府の核燃サイクル政策では使用済みMOX燃料も再処理する計画です。しかし、原子力委員会の策定した原子力政策大綱には「10年ごろから検討を開始する」と明記されていましたが、11年の東日本大震災での東京電力フクシマ第1原発事故の発生により、計画は事実上ストップしたままとなっています。

 政府は現在も再処理方針を堅持し、資源エネルギー庁は20年度も約7億円の予算を組んで技術の研究開発を進めていますが、第2再処理工場の建設を具体的に進める研究会は発足さえしていません。

 玄海3号機の他にも、3つの原発でプルサーマル発電が行われており、既に伊方3号機から16体、高浜3号機からは8体の使用済みMOX燃料が取り出されています。

 行き場の無い使用済みMOX燃料、再処理の検討もされていない使用済みMOX燃料、もっと言えば、最終処分場も決まっていません。

 それでも、政府はMOX燃料を電力会社に押しつけ、電力会社は国策の名の下に今日もプルサーマル発電を行っています。

 そして北海道電力の泊原発はフクシマ原発事故以来稼働していませんが、泊原発3号機はプルサーマル計画の対象となっています。

 北海道はプルサーマル計画に対して、「①有識者会議から『安全性は確保出来る』との提言を受けた、②道議会での議論が尽くされたとの意向が示された、③地元4町村から『計画について事前了承する』との意向が示された」ことなどについて総合的に勘案した結果、高橋はるみ知事(当時)がプルサーマル計画に対して事前了承することとし、平成21年3月5日に北海道電力に対して、正式に文書で回答しました。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.