保育の無償化
- 2019年10月28日
10月1日からの消費税増税と共に、保育料の無償化が始まりました。
保育料の無償化よりも保育所の増設を求める声が多いのも事実ですが、政府はまず、保育料の無償化を優先させました。
保育料の無償化により、当然起こりうる現象として保育児童の増加が危惧されます。
「保育に欠ける子」から「保育が必要な子」へと保育への理念が変わり、さらに、幼児教育、子育て支援が加わって、専業主婦(夫)がいても保育園に入園でき、保育料が無償になりますから、当然のことでしょう。
そこで問題になるのは保育士不足です。
保育士の仕事は、体力を必要とし、早朝保育から夜遅くの預かり保育まで拘束され、昼は給食と午睡の付き添い、その間に昼食を取り会議を行い、午後の保育の準備をして事務仕事もこなす他、子どもの健康に留意をし親へ伝えるなど、命を預かっている仕事への神経的ストレスも多い職場です。
しかし、その待遇は非常に低く、自らの仕事に対する自己評価も「社会から評価されている」と認識している保育士の割合は、イスラエルの75%、ノルウェーの53%、トルコの50%ですが、日本は31%に止まっています。
保育士の離職率が高く、結婚後の職場復帰の確立は逆に低い状態となっています。
受け皿となる保育士が不足している現状では、無償化で保育児童数が増えても、充実した保育は臨むべくもありません。
まずは、保育士の待遇改善から始め、保育が誇りに思える職業とすることが先決では無いかと思います。