入管法改正は弥縫策
- 2018年11月14日
昨日から衆院法務委員会が開催され、「入管法改正(?)案」の審議が始まりました。
この中で、政府は19年度からの5年間で最大34万人、19年度では最大4万7,000人を受け入れすることを明らかにしました。
質疑では、既に入国している「技能実習制度」の劣悪な労働環境が焦点になり、政府は受け入れ環境の整備に万全を期す等の答弁が有りましたが、現在、技能実習制度で既に日本で働いている外国人は約27万人となっており、新たな制度を導入する前に、これまでこの制度で来日している方々の労働環境をどのように整備していくのかも政府は明らかにしていません。
まずは、この方々の労働環境の整備が喫緊の課題であり、次にこの方々を「特定技能1号」に認定することから始めなければなりません。
さらに、話題にもなかなか上がっていませんが、コンビニや外食産業を支えている外国人の多くは「留学生」です。
その数約27万人、コンビニの外国人労働者はセブン・イレブンが全従業員の7.9%の約3万1,000人、ローソンでは5.8%の約1万1,000人、ファミリーマートが5%の約1万人、ミニストップが9.7%の約3,300人とで、これだけでも約5万5,000人もの外国人が働いており、そのほとんどが留学生です。
チェーンレストランや居酒屋など飲食店のデーターは入手できていないので分かりませんが、出張で行く、東京・名古屋・大阪・福岡などの都市部ではコンビニや飲食店は外国人無しでは成り立ちませんし、ここ函館でも、北大水産学部・教育大学・函館大学などに入学生がおり、国際交流などで彼らのお話を聞くと、飲食店や旅館・ホテルでのアルバイトは常識となっています。
都市部では留学生と言っても大学生ばかりではなく「日本語学校」と言われる所に在籍している外国人も留学生という分類に入ります。
留学生は週28時間の就労しか認められていませんが、これも全くのザルとなっているようで、中には留学生制度に便乗し、籍だけを学校に置いて就労に勤しむ方も多くいるとのこと。
これら外国人留学生の実態と外国人労働者との関係、留学生の就労制度をどのように解決するのかも明らかになっていません。
足下の問題を解決しないまま、そして先々に想定される問題を十分に議論しないままに見切り発車する無責任さを皆さんはどう考えますか。
この入管法改正は誰が見ても弥縫策にしか写りません。
また、これらが明らかになれば成る程、外国人の人権を無視するような日本に魅力を感じて仕事に来る方はいなくなるでしょう。