全方位脅迫・報復政策
- 2019年05月15日
トランプ氏の外交は、まるで「ドラエモン」に出てくる「ジャイアン」みたいではないでしょうか。
彼は、民間企業の経営者の手法を外交にも取り入れ、「外交はディール(取引)だ」と言って憚りません。
NAFTAの場合もメキシコ、カナダに無理難題をふっかけ、EUにも韓国にも日本にも関税の引き上げを迫り、さらに、日本へは貿易赤字を口実に戦闘機など高額な武器を購入させ、協議中の日米二国間貿易交渉ではTPP以上の要求を突きつけてくるでしょう。
その他にも、「地球温暖化はでっち上げだ」として一方的にパリ協定を離脱、イランを含む6カ国での核合意から脱退、他の5カ国に中国・インド・日本を含む8カ国にイランへの経済制裁を求めイラン産原油の購入を認めない方針に転じました。
このジャイアンは、自国内での独裁だけでは無く、世界中は自分の言うことを聞くのが当然で、異を唱える国へは報復をという態度をとり続け、その対応は前述したように米国の同盟国であろうがまったく容赦はありません。
このことを、国際政治学者の藤原帰一氏は「全方位脅迫政策」と名付けましたが、私は、この全方位脅迫政策に報復も含めた「全方位脅迫・報復政策」と呼びたいと思います。
しかし、この報復・脅迫外交に従う国ばかりでは有りません。
北朝鮮や中国で・イランはこの政策に屈服すること無く抵抗を試みています。
また、世界各国はこのような1国覇権主義を快く思っていません。
ジャイアンに苦言を呈すること無くただただ米国に追随するだけのスネ夫では、日本も米国同様に孤立への道を歩むことになりかねません。