全旅連の要望書(ブログ3808)
- 2025年01月18日
北海道と倶知安町の「宿泊税の抗争(?)」が、リング外に発展しています。
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連:加盟宿泊施設・全国約1万5千軒)が、総務省に「北海道が2026年の導入を目指す法定外目的税『宿泊税』を認めないよう求める要望書」を提出しました。
要望遺書の趣旨は、「倶知安町の条例は徴収した宿泊税を、同町の魅力向上に使うのが目的であるため、道に一部でも納めるのはおかしい」というものです。
また、そうした仕組みが導入されれば、他地域でも同様の混乱が起きかねない」として道の宿泊税に対する厳正なる措置(不認可)を求めました。
19年に倶知安町が先行実施してきた宿泊税は、宿泊料金に一定の率を乗して徴収するものであり「定率制」として行ってきました。そして、今の税率は2%となっており、宿泊料金によって宿泊税徴収額が変わってきます。
あらたに宿泊税を徴収しようとする道は、1万円未満100円、1万円から2万円未満200円、2万円以上500円と3段階の「定額制」で徴収することを基本としましたが、定率制と定額制では徴収する手法が違う事から、倶知安町は道に対し話し合いを求め、道も条例提出までに倶知安町と誠意を持って協議することを約束していたにも関わらず、この協議がまとまらないまま、昨年の第4回定例道議会に定額制の条例案を提出しました。
倶知安町は、道議会各会派に性急な条例制定を行わず、協議を継続するという要望書を提出、議会でも道の姿勢を正すべきと言う質問が相次ぎましたが、道は方針を変えず、ついに自民党が動議を提出し、修正案として23条に徴収方法の例外規定を盛り込みました。
しかし、これまでのブログでも問題点として、町が道に対して上納金のような支出を行う事が地方財政法上問題ないのか、また、全旅連が指摘しているように、倶知安町が徴収した税金を道の観光施策に使用する事は、倶知安町の条例に反しないのか。
それだけでは無く、様々な問題点が多く残されていますが、道の条例が修正されたのが最終日2日前で、それも、これまで、「食と観光特別委員会」で審議されてきた宿泊税を、税に関わる事として「総務委員会」で処理してしまうという乱暴さ。
そのために、様々な問題点の協議はまったく行われずに採決されました。
道内観光の約半分は道民の方ということからも、1年間で道民に周知する事になっていますが、生煮えの条例をどのように道民に説明するつもりなのか、そして、総務省は全旅連の申し入れを受けてなお、道の宿泊税導入に同意をするのでしょうか。