公務員の給与減額
- 2011年08月07日
先般、ある雑誌に寄稿されていた裁判官:寺西和史氏の文章を読ませていただきました。
題名は「国家公務員の給与減額支給は不当である」というもので、その内容は、「一般国家公務員の給与減額支給措置の時限措置の法案を提出するようだが、その主旨は東日本大震災の被災地復興財源確保というのであれば公務員にだけ大きな負担をさせるのは不公平である。」との主張でした。
「国民の一部だけが、重い負担をさせられても構わないというなら、被災者だけ苦しんでも構わないと同意である。しかし、被災地に住んでいただけで被災者が重い負担を強いられるのは不正義であるから救援や復興が必要であるとするならば、公務員だけに給与の10%の減額支給というのはどういう訳か、新たな財源が必要であれば、法人税や所得税の増税で広く負担を求めるべきである。裁判官を含め公務員が高額所得者だというならば、満額給与を支給し、10%分を所得税で聴取すべきであり、同じように民間の方で公務員並の給与を支給されている方は同様の所得税を納めるべきで、若い公務員を含め低所得者の負担を増やす消費税には反対である。そのことによって、公務員の給与減額支給措置により得られる財源以上に民間の高額所得者からも多くの所得税を得ることができる。これが公平な負担ではないか。」という内容でした。
一番やりやすい手法をとることは、簡単かもしれませんが、そのことによって行政の公平さが損なわれるのは本来の姿ではありません。
今は、公務員を狙い撃ちすることが国民(有権者)に受けるのかもしれませんが、何かあれば公務員の犠牲で対処する手法には限界があります。
また、公務員給与(人事院勧告)を参考にしている法人は非常に多く、医療法人、福祉法人、学校法人、宗教法人等も公務員給与に準拠しているところが多く、函館だけでも、数万人ほどと記憶しています。
公務員の10%給与減額が執行されれば、準拠している法人も当然給与の減額をしてくることは過去の事例からも明らかです。