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公益通報と守秘義務違反(ブログ3687)

  • 2024年09月14日

 鹿児島県警の本部長が、複数の警察署員による犯罪を隠ぺいしようとした上、内部告発者を守秘義務違反で逮捕、さらに、この疑惑を報じた独立系メディアに家宅捜査をかける等の圧力をかけていた事も明らかになりましたが、未だに事件の隠ぺいに関わる全貌は明らかにならず、鹿児島県警の組織防衛、隠ぺい体質が問題になっています。

 私の経験では行政と名の付く役所組織は、何かあっても「類」が上司に及ばないように部下が尻拭いをするという傾向にあり、制服、そして敬礼が基本の組織ほどその傾向が強いと感じています。そして、鹿児島県警は何があっても「本部長」を守るということのようです。

 隠ぺい工作が告発されて以降、組織内では綱紀粛正が強く訴えられたものと思いますが、その後も不祥事が後を絶ちません。

 8月2日には霧島署の巡査部長が一般女性にストーカー行為を行ってい増したが、この事件の証拠となる防犯カメラ映像の一部を消去していたことも明らかになりましたし、21日には、枕崎署員が除しトイレ5カ所で22回盗撮をしていたことが初公判で明らかになりました。また、中央署の軽視が超過勤務手当の不正受給未遂も発覚。さらに、巨額財産略奪・殺人事件にも鹿児島県警の現職警官が加担していたことが告発されていたことが、「アクセスジャーナル」に掲載されていました。

 これらの事を知ると、残念ながら県民の治安維持を任務とする県警が、一皮抜けば犯罪のデパートかと思ってしまいます。これは鹿児島県警だけの問題なのか。他の県警ではこのような不祥事は起きていないのか。

 鹿児島県警の組織人員は約3,400名、北海道警察の組織人員約1万1,000人となっています。組織的には約3倍の要員を要していることになっていますが、その割には、警察官の犯罪が少ないように思われます。

 それは、当然のことながら道民に取っては良いことなのですが、表面に出てこないように操作されているのようでは、これまた道民の信頼を失うでしょう。

 さて、今回の鹿児島県警の内部告発は、本部長によって「守秘義務違反」とされて逮捕という措置がとられました。

 兵庫県知事の案件の場合にも「公益通報」と「内部通報」の境界の曖昧さが指摘されました。告発内容が公益に資する事であり、事実であれば告発者は保護されますが、行政の場合、そうでなければ「守秘義務違反」となります。

 告発者は、正義感や公務員としての矜持と処分の狭間に苦悩するものだと思います。


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