共謀罪の再燃
- 2015年11月22日
パリの同時多発テロ、ロシア航空機の爆破テロが相次ぎ、世界各地どこでテロが起きても不思議では無いということから、テロ対策を名目に「共謀罪」の再検討が自民党内で始まりました。
この共謀罪は、組織犯罪処罰法の改正を行い、具体的な犯罪行為が無くても二人以上が犯罪行為の相談をしただけで4年以上の懲役・禁固を科す事ができ、その適用範囲は600以上の事例にものぼる内容となっています。
そしてその中には、組織犯罪と呼べないような窃盗や万引きも含まれていますし、市民団体や労働団体にも適用されるおそれがあり、およそテロとは縁遠いものまでが対象とされるもので、恣意的な運用の懸念が拭えず、監視社会を助長するものと言えます。
日本は来年、「主要国首脳会議・伊勢志摩サミット」が開催される予定となっており、自民党高村副総裁、谷垣幹事長は、改めてこの組織犯罪処罰法の改正に意欲を示しました。
もとより、刑法は、具体的な犯罪行為が行われて初めて罰するのが大原則であり、日弁連は、我が国では組織犯罪集団の重大な犯罪は、現行法において実行する前に処罰することができ、共謀罪を新設しなくても問題ないと反論しています。
さらに、会話や電話、メールの傍受や盗聴も、その対象も拡大しても行われることになり、戦前の治安維持法の思い起こさせるものとなります。
特定秘密保護法、そして組織犯罪処罰法の改正は、思想の自由、言論の自由を妨げる憲法にも反するものではないでしょうか。