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兵庫県知事選(ブログ3749)

  • 2024年11月19日

 兵庫県知事選挙の結果、前知事の斉藤氏が再選されました。

 兵庫県知事のパワハラやおねだりが常態化し、県職員が公益通報制度を使って文章で内部告発およびマスコミに知らせましたが、斉藤知事からは事実無根と非難され、副知事が職員を叱責した事も明らかになりました。その後、職員は知事から3ヶ月間の停職処分を受けた後、「死を持って質す」と自ら命を絶ってしまったのです。

 兵庫県議会では県職員全員にアンケート調査を実施、約70%の職員がパワハラを見聞きしたと答え、その結果も含め県議会は百条委員会を設置して斉藤知事に事実関係の説明を求めました。

 当然、これらの事は全国的な話題となりましたが、百条委員会での知事答弁は事実関係を認めず、自ら知事を辞任して知事選に立候補したというのが流れですが、その選挙では、斉藤氏の学校時代の仲間やそれ以上に約400人のSNSボランティアが、連日SNSを屈指して情報を拡散、いつの間にか斉藤氏のパワハラやおねだりなどは「捏造」と言うことになってしまい、本当は改革派のとても良い知事であると言う偶像を産み出しました。

 その熱波は、年代を超えて拡散し、何が正しいか明らかにならないまま多くの県民がSNSによって作り上げられた、いや作り上げた斉藤氏のイメージを自分のものとして投票したと思われます。そして多くの国民の予想に反して当選してしまいました。

 比較的に体制に批判的な報道を見ることをせず、何となく自分の目に入ったSNS情報を何の疑いも持たずに信じてしまいそれを拡散する方、面白半分にフェイク情報を意図的にSNSを通じてまき散らす方、そしてそれがバズるという社会現象が、選挙の有り様をガラッと変えてしまいました。

 今後、SNS派が投じた票がどのような結果を招くのかをしっかり注視したいと思いますし、同じくSNS派の方々も自分の票の行方が正しかったのか見極めていただきたいと思います。

 さらに、今度の選挙では、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花党首が「知事に当選する考えは無い」として立候補し、斉藤知事の応援をするという事が行われ、公選法が想定していない選挙活動を見せつけました。

 こんなことが今後も行われるとしたら、金がある候補者は何人もの立候補者を立てて自分を応援する選挙カーを何台も走らせることが出来ますし、選挙区あちこちで合法的に拡声器が響き渡り、その範囲でのチラシを配ることも可能になります。

 これらは現在の公選法の網をくぐる行為と考えます。従って、合法とするか違法とするか真剣に議論を積み重ねて、今後の社会状況と日本の政治選択をどのようにするかも含めて公選法の改正を早急に行うべきです。来年7月には参議院議員選挙もあります。

 一方、兵庫県議会の百条委員会は、結論が出ないままに終了してしまうことも懸念されます。現に、知事批判の県議にはネット攻撃が為され、家族にも影響を来しているようです。県議の方々は今回の知事選の結果を自分の選挙に重ね、再選の原動力となったSNS派を敵に回したくないという心理が働けば、事実を明らかにするはずの百条委員会は形骸化してしまいます。


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