内容が不明確な宿泊税(ブログ3656)
- 2024年08月10日
道が宿泊税のアンケートを行っています。
以前にも宿泊事業者へのアンケートを行っていましたが、今回のアンケートは先月に終了した第2回道議会本会議において、鈴木知事が「宿泊税」の導入を明らかにしたことから、改めて宿泊事業者の意向を把握するために行っているものと思われます。
裏返せば、最初のアンケートと各地域で行った説明会では十分な理解を得ることが出来なかったと言うことになるのでしょうか。今の段階での事業者の賛同は約5割程度にしかなっていません。当然のことながら宿泊税徴集側の理解が得られなければ事業は遂行できないのは明らかです。
鈴木知事は丁寧な説明と理解の醸成をこれ以上行う気が無いようで、今回のアンケートで、「事業者の意見は聞いた」というアリバイにするのでは無いかと思います。
アンケート調査の内容を見ますと、「システム回収の必要性」、「システム回収経費額」を問い、(※注:システム改修費の2分の1を補助)という注釈も掲載しています。
その他に、税の徴収総額の想定を行うのが目的なのか、「事業者の繁忙期・閑散期」、「客室稼働率」、「宿泊料金価格帯」などを問うていますが、これは、個別の事業者としてあまり明らかにはしたくない問いとなってはいないでしょうか。
その他に宿泊者へのアンケートの協力を事業者に要請しています。
この場合、事業者が宿泊者にアンケートの趣旨を説明しなければならないという手間も押しつけていることになります。
宿泊者へのアンケートでは、「北海道は宿泊税の導入に向け、税条例の策定作業を進めています。参考とするため、皆さんの意見をお聞かせください。」と趣旨を説明し、宿泊者の基礎的な情報の他、「旅行する上で不便を感じていること」、「新税を活用して取り組むべき内容」を問うています。
本来であれば、宿泊者サービスや観光の充実には、このような事が望まれているから、その改善のために宿泊者から税の協力をお願いするという、目的が明らかになっていなければならないにも関わらず、それを今、観光客とりわけ宿泊者に求めています。
つまり事業者には説明不足、支出の目的が具体的で無い事から宿泊者にアイディアを求めていると言う構図がアンケートからうかがえます。
内容の詰めが曖昧となっているままにも関わらず、新税の導入にひた走る知事。
11月下旬から始まる第4回道議会定例本会議に条例案を提出する考えのようですが、そこまでに、新税徴収の対象者でもある道民への説明と理解が得られるのかも問われています。