内部留保に課税を(ブログ3587)
- 2024年05月28日
6月の定額減税について、その後に各種国民負担が増大する事を先のブログに掲載しましたが、国民負担を軽減し、逆に所得を上げる手法は無いものでしょうか。
この間、消費税10%への増税や物価高騰への無策で、政府は国民には負担ばかり押しつけていますが、一方には法人税減税の恩恵を受けて、収益が向上し「内部留保」に余念が無い大企業が存在します。
内部留保が極端に増加しているのは、この間の安倍政権による大企業優遇税制が大きな要因と言われています。
安倍政権は法人税率を28%から23.2%に減税しましたし、「租税特別措置」を倍増、「連結納税制度」なども行い、もっぱら大企業向けの税制を推し進めた結果、大企業の法人税の実質負担率は10.2%となってしまいました。ちなみに中小企業は19.2%、中堅企業は20.7%で、大企業の税率は約半分と言うことになります。
さらに、輸出企業は、消費税分が「戻し税」として還付されることになります。
消費税は国内の制度であり、輸出する製品を購入する海外の消費者に10%に消費税を課すことは出来ません。しかし、国内で製品化するまでの原材料にかかる消費税分は、既に政府に納めていますから、政府は業者にその分の税額を還付することになります。
つまり、輸出業者はここからも収益を得ることになります。当然、この戻し税は国内で商品を販売する業者には無い制度となっています。
それやこれやでもうけた金が、内部留保として2023年12月には528兆円にも上りました。
この内部留保金に対し、例えば2%の課税をした場合、約10.5兆円が政府の増収になります。10兆円は、消費税の5%分に相当します。そうです。消費税は5%に減税できることになります。そうなれば、可処分所得が5%上向きます。
さらに、企業が内部留保金を賃上げに充当すれば、賃上げ分を控除することができる制度を導入すれば、各企業の賃上げを促す事にも繋がります。
政府は、これ以上国民負担を増やすのでは無く、この間、恩恵を受け続けてきた大企業にこそ負担を求めるべきです。賃上げや消費税の減税で国内消費が活発になれば、経済循環にも大きな影響を与え、企業にとっても悪い話しではないと思います。