円安と物価高
- 2022年04月03日
昨年1月にドル103円だった円相場は、今年の3月に125円の円安となりました。
これには様々な原因があるかも知れませんが、これまで政府は円安を容認する方向へ進んできたことだけは確かです。
1ドル=100円だった時と比較して、1ドル=125円では25%も円安ということになります。
例えば、これまで1万円で買えた外国産のスニーカーが、12,500円でなければ手に入らないということになり、逆に輸出している製品はドル換算で25%増の取引額ということになり、輸出中心の乗用車などの工業製品を輸出する大企業は単純に25%売り上げが増え「ウハウハ」となります。
従って、国が円安を容認していたのは、国民より大企業に目を向けていたからということになります。
日本は食料受給率が40%を切っていますし、原油やLNG等は輸入に頼っていますから、円安で物価が上昇する一方となり、ウクライナ危機がさらに拍車をかけています。
この4月から食料品を始めとする様々なものが値上げとなりましたし、原油関係のドライクリーニングやプラスチック関連商品も値上げとなり、輸送コストの増など派生する全てのものの価格が上昇します。
一方、国民所得はここ20年以上も据え置きのままで、国民は、これまでも我慢を強いられてきましたが、これからは更に消費を抑えざるを得ず、そうなれば、物も売れなくなります。
物価が上がり、消費が抑えられ、ものが売れず、所得は抑えられ、という「インフレ」がすでに始まっています。
物価高が続けば、いざという時のためにと預金している資産は目減りすることになります。何せ、1年前と比較して円の価値は22%も下落しています。
預金していても利息は限りなくゼロ、預金を引き出せば手数料を請求され、これ以上物価が上がれば更にダメージが襲いかかります。
これが、安倍と黒田日銀総裁が行ってきたアベノミクスの末路と言うことなのでしょうか。