円安と43兆円(ブログ3381)
- 2023年11月01日
昨日のブログは、物価高騰の元凶は「円安」という内容で掲載しました。
さて、国会では、「減税の後に防衛費や子育て支援の財源確保のために増税が行われるのは、矛盾している。」という論戦が岸田氏に向けられています。
この間、安倍氏、菅氏、そして岸田氏の3総理によって防衛費はGDPの2%に引き上げられ、さらに、43兆円もの兵器を米国から購入することになっており、この返済に年間約4兆円、政府は、そのうちの3兆円は財政支出の改善により捻出しますが残りの1兆円は、所得税・法人税・たばこ税の3税の増税で賄うことを方針としています。
しかし、この返済計画の2024年から27年度の4年間を政府は1ドル=108円で設定しています。
43兆円という全体額は為替変動も包含した金額として閣議決定されていますから、円安が続くと装備品の数量を抑制しなければ43兆円で間に合わなくなります。
108円:150円は、約39%の違いがあるので、年間4兆円を1ドル150円で返済するとすれば5兆5600億円と増額になりますから、4兆円との差は1兆5600億円、これが4年間だと6兆2400億円となります。
つまり、このまま円安が150円で推移した場合、4年分だけでも6兆2400億円の装備品を抑制しなければなりません。
しかし、米国との間で装備品の品目・数量は決定済みであり、さらに、「有償対外軍事援助(FMS)」というシステムで、これは契約時に代金を前払いし、納入時に追加分を支払ういう内容となっています。つまり、このシステムは米国の言い値でいくらでも購入金額が高くなるという縛りがあります。
したがって、普通に考えれば、43兆円分の兵器が円安で価格高騰しても米国との間では決まった数量の兵器・装備品を購入しなければなりませんから、当然43兆円では間に合わなくなります。
先ほども述べましたが43兆円は為替変動を包含した閣議決定であり、一方、米国との間では値段に関係なく当初計画通りの兵器・装備品を数量を購入しなければならないでしょう。
政府が目算している分の増税では全く間に合わなくなることが想定されます。