再稼働で新協定
- 2017年12月10日
日本原子力発電(原電)が、自社所有の「東海第2原発」の再稼働に際し、立地自治体である東海村だけではなく、周辺30km以内(UPZ=緊急防護措置地域)の5自治体の実質的な同意が必要ともいえる新協定書を結ぶことになったことが東京新聞に掲載されました。
新協定案は原電が6市町村長との協議の場で示したもので、その解説書も添付されていたとのことです。
その全容は、協議途中と言うこともあって明らかになっていませんが、全6条からなっており、新たに、「再稼働や運転延長について事前に説明を受けること、意見を述べたり、回答を要求すること、追加対策や現地確認などの権限を確保する」という内容になっており、特に事前協議については「6市町村それぞれが納得するまでとことん協議を継続する」と記載されており、このまま理解すれば6市町村の内一つでも納得しなければ協議は継続され、再稼働は出来ない事になりますし、6市町村が対策を要求する権限を確保することで、事業者はこれにきちんと対応しなければならない義務を負うことにもなります。
新協定書には、再稼働する際に必要な事前了承は規定されてはいませんが、事前協議によって実質的に担保されているとも解説しています。
原電は来年3月までに、6市町村との協議の場において新協定を締結する意向を示しており、6市町村も文言に曖昧な点もあることから修正を求めていくことにしています。
既存の5km以内(PAZ=予防防護措置地域)から30km以内の自治体の実質的合意が必要とする新協定書を結ぶということは画期的なことで、来年3月の新協定書締結が注目されることになります。
これが、今後のスタンダードとなれば、再稼働のハードルも高くなっていくものと思います。