冬季五輪は断念を(ブログ3192)
- 2023年04月19日
札幌冬季五輪の30年開催について、IOC(国際オリンピック委員会)が「開催は困難な情勢」であることを日本の招致関係者に伝えたとのことです。
直接的には、選挙が実施される前の今月6日にJOCの幹部がIOC本部を訪れて、34年招致も視野に入れる意向を伝えたこともありますが、開催地である札幌市長選の結果として、誘致派の秋元市長は当選したものの、反対を唱えた候補2名の票が約4割に達したこと、併せて、報道各社の出口調査では6割以上の市民が反対である意思を示したことが、招致に対する地元の民意を重視するIOCの判断に影響を与えたものと思います。
さらに、IOCはこれまで、開催誘致に手を挙げる都市が少なくなってきたことから、30年の開催地決定に併せて34年の開催地も決定したい意向を示していました。
つまりは、札幌市長やJOCが34年に誘致したいとの意向が強ければ、今のうちから34年誘致に対する市民の意向調査を行う必要があります。
しかし、今の段階でその事が出来るとは思えません。
当然、市長選挙の出口調査と同様かそれ以上の結果になる事は明らかだと思います。
経済界は、五輪特需を期待する声が多くありますし、開催が北海道経済にとってプラスになる事を否定は致しません。
しかし、問題は東京五輪の検証を行おうともしない組織委員会や、多額の公費の導入、開催に関わる賄賂・談合などの問題が何も解決していない現状にあります。
更に、30年が34年になっても、国際的な大イベントを総合的に取り仕切る事の出来るイベント企業は、相変わらず電通および東京五輪関連事件に関係した企業でしか無いからです。
東京都や大阪府など、今回の東京五輪で電通が行った不始末に対する入札参加資格の停止処分に関して、北海道は行っておりません。
その理由として、議会の質問に対し<北海道に関するイベントなどの入札参加資格については、「電通本社」ではなく「電通北海道」と行っているので問題が無い>という、極めて官僚的で奇妙な答弁をしています。
電通北海道は紛れもなく電通関連会社であり、電通の名を冠に付けているだけではなく、電通ホールディングスが100%出資している「完全子会社」となっています。
こんな言い訳をしなければならない北海道は、事の本質を見誤っているとしか思えません。また、4年間の時間で「ほとぼり」が冷めれば、市民も道民も忘れるだろうと考えているならば、行政は札幌市民と道民を愚弄していることになります。
この際、知事や市長が常に有権者に話している「道民目線・市民目線」を重視し、札幌市も北海道も、冬季五輪はキッパリと諦めるべきではないでしょうか。